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「Visual Studio」の中の人が作ったプログラマー向け十徳ナイフ「DevToys」

今までググって探していたツールがひとまとめに

「DevToys」v1.0.0.0

 プログラミングに役立つユーティリティを集めた「DevToys」v1.0.0.0が、1月19日に公開された。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。

 アプリケーションを開発していると、ちょっとしたテキストの変換や整形、正規表現のテスト、ハッシュの生成といった作業が必要になることがある。利用頻度はそれほど高くないので、オンラインソフトやWebサービスをその場でWeb検索し、適当なもので間に合わせることが多いだろうが、厳密にいえばそれは好ましいやり方ではない。品質のあまりよくないツールも少なくないし、なかには入力した情報を盗むような悪質なサービスがあるかもしれない。また、毎回検索するコストも無視できないし、Webサイトのダウンなどでお気に入りのツールが常に利用できるとも限らない。

 そこで開発されたのが、「DevToys」だ。このアプリはプログラマー向けの「スイスアーミーナイフ」(Swiss Army knife)を目指しており、コーディングで必要されるツールがコンパクトにまとまっている。開発者はMicrosoftで「Visual Studio」の開発に携わっているメンバーらしく、品質にも信用がおけるだろう。「Fluent Design System」に準拠したモダンなルックも好印象だ。

設定画面。ダークモードにも対応

 執筆時現在、「DevToys」に搭載されている機能は以下の通り。今後のアップデートでさらなる機能の拡充が図られるという。

  • コンバーター(変換):JSONとYAML、数値表現の変換
  • エンコーダーとデコーダー:HTML、URL、BASE64、JWT
  • フォーマッター(整形):JSON
  • ジェネレーター(生成):ハッシュ(MD5、SHA1、SHA256、SHA512)、UUID、Lorem Ipsum(ダミーテキスト)
  • テキストツール:大文字・小文字などの変換、正規表現テスト、テキスト比較、Markdownテキストのプレビュー
  • グラフィックツール:色覚異常のシミュレーション、PNG/JPEG圧縮

 各ツールはツリービューで整理されており、検索ボックスなども併用すれば目当てのものをすぐに見つけられるだろう。クリップボードにコピーされたデータをもとに、最適なツールを提案するスマート検出機能も備える。

クリップボードにコピーされたデータをもとに、最適なツールを提案するスマート検出機能

 また、複数のインスタンスを同時に起動することも可能。2つのツールを同時に使いたいといったニーズにも応える。タイトルバーにある[Keep on top]ボタンを押せば、コンパクトなウィンドウに切り替えて常にデスクトップの最前面へ表示しておけるので、邪魔にもならない。

クリップボードにコピーされたデータをもとに、最適なツールを提案するスマート検出機能

 「DevToys」はWindows 10 バージョン 1903以降に対応しており、「GitHub」のリリースページから無償でダウンロード可能。「Microsoft Store」にも登録されているので、「ストア」アプリで検索・インストールするのがお勧めだ。また、アプリパッケージ管理システム「winget」にも対応しており、「winget install devtoys」コマンドでインストールすることもできる。

「winget install devtoys」コマンドでインストールすることも
正規表現のテスト
UUIDジェネレーター
JSON/YAMLコンバーター
色覚異常のシミュレーション

ソフトウェア情報

「DevToys」
【著作権者】
Etienne BAUDOUX 氏
【対応OS】
Windows 10 バージョン 1903以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.0.0(22/01/19)