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WPF/WinFormsにUWPのパワーを ~Microsoft、「Windows Community Toolkit」v5.0を発表

“XAML Islands”でUWPコントロールをWin32アプリに追加、新しいタブコントロールも導入

公式ブログ“Windows Developer Blog”におけるアナウンス

 米Microsoftは10月31日(現地時間)、「Windows Community Toolkit」v5.0を発表した。「Windows Community Toolkit」は、コミュニティ主導で開発されているオープンソースライブラリ。標準ライブラリに欠けている機能を補うことができる。

 今回のアップデートでは、“XAML Islands API”の上に構築された“WindowsXamlHost”コントロールが新たに導入。組み込みのUWPコントロールやカスタムUWPコントロールをWPFやWindows Formsのデスクトップアプリケーションへ簡単に追加できるようになった。この機能は現在、開発者向けのプレビューとして利用可能。製品への導入は時期尚早だが、プロトタイプコードで動作を試すことはできる。

組み込みのUWPコントロールやカスタムUWPコントロールをWPFやWindows Formsのデスクトップアプリケーションへ簡単に追加できるWindowsXamlHost”コントロール

 さらに、本バージョンでは“WindowsXamlHost”インターフェイスでラップされたUWPコントロールも多数用意されている。開発環境のデザイン画面に直接追加して、他のWPF/WinFormsコントロールと同様に扱うことが可能だ。

  • WebView:「Microsoft Edge」のレンダリングエンジンでWebページを描画。「April 2018 Update」以降で利用可能
  • WebViewCompatible:Windows 7/8環境では「Internet Explorer」にフォールバックする互換性重視の“WebView”
  • InkCanvasとInkToolbar:手書き機能“Windows インク”を使えるようにするコントロール。「October 2018 Update」以降で利用可能
  • MediaPlayerElement:UWPの“MediaPlayerElement”をラップして、ビデオなどのメディアコンテンツをストリーミングおよびレンダリング。「October 2018 Update」以降で利用可能
  • MapControl:UWPの“MapControl”コントロールをラップして、リッチな地図コンテンツを提供。「October 2018 Update」以降に対応する

 なお、これらのラップされたコントロールも開発者プレビューとしての提供となる。

“InkCanvas”と“InkToolbar”をWinFormsアプリに追加して手書き入力をサポート

 また、新しいコントロールとして“TabView”が導入された。2年にもわたる議論の末ようやく追加されたこのコントロールは、タブの開閉やドラッグ&ドロップといった機能が標準で組み込まれており、ビヘイビアのフルカスタマイズも可能。

新しいコントロールとして“TabView”が導入

 そのほかにも、中国版“Twitter”である“Weibo(微博)”のサポート、“Twitter”と“LinkedIn”の.NET Framework対応などが行われている。

 「Windows Community Toolkit」は現在、パッケージ管理システム「NuGet」から無償で入手可能。「Windows Community Toolkit」に含まれる要素をチェックしたい場合は、サンプルアプリ「Windows Community Toolkit Sample App」の利用がお勧めだ。サンプルアプリは現在、“Microsoft Store”から無償でダウンロードできる。