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Adobe、「Adobe Flash Player 11.6」「Adobe AIR 3.6」を正式公開。脆弱性を17件修正

IE10/Chrome向けにも提供。「Microsoft Office」向けの“Click-to-Play”が搭載

「Adobe Flash Player」v11.6.602.168

 米Adobe Systems Incorporatedは12日(現地時間)、「Adobe Flash Player 11.6」および「Adobe AIR 3.6」の正式版を公開した。現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。「Google Chrome」やWindows 8の「Internet Explorer 10」に同梱の「Adobe Flash Player」プラグインも更新されており、それぞれ最新版が提供されている。

 「Adobe Flash Player 11.6」では、コンテンツをフルスクリーンで実行する際にキー操作を許可するか確認するダイアログのデザインが改善されたほか、「Firefox」におけるサンドボックス機能の強化、実行時のグラフィックスデータ取得への対応といった開発者向けの機能強化が施されている。

 また、先日発表された「Microsoft Office」向けの“Click-to-Play”機能も搭載されているとのこと。サンドボックス機能で保護されていない「Microsoft Office 2008」以前のバージョンでは、Flashコンテンツが実行される前に確認ダイアログが表示されるようになる。

「Microsoft Office」向けの“Click-to-Play”も搭載

 一方「Adobe AIR 3.6」では、「Adobe Flash Player 11.6」における新機能に加え、Mac OS X環境におけるRetinaディスプレイへ対応などが追加されている。

 なお、本バージョンはセキュリティアップデートでもあるので注意。

 同社が公開したセキュリティ情報(APSB13-05)によると、今回のアップデートでは外部からのコード実行を許す恐れのある脆弱性が16件、情報漏洩につながる脆弱性が1件修正されているとのこと。旧バージョンの「Flash Player 10.3」にも影響し、最新版のv10.3.183.63(Windows版)が公開されている。

 これらの脆弱性の深刻度は、同社基準で“Critical”(4段階中最高)と評価されている。更新プログラムの適用優先度は、Windows版の「Adobe Flash Player」でもっとも高い“1”(すでに脆弱性を悪用した攻撃が確認されており迅速なアップデートが必要)、Mac OS X版の「Adobe Flash Player」は“2”、それ以外は緊急性の低い“3”とされている。

 自動アップデート機能が有効になっている場合、24時間以内に最新版が自動的に配布されるため、ユーザーによるアップデート作業は必要ない。また、「Google Chrome」向けプラグインには「Google Chrome」のコンポーネントアップデーター経由で、Windows 8の「Internet Explorer 10」向けプラグインには“Windows Update”経由で更新プログラムが提供される。

ソフトウェア情報

「Adobe Flash Player」Windows版(「Google Chrome」およびWindows 8の「Internet Explorer 10」用)
【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【対応OS】
Windows 8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
11.6.602.167(13/02/12)
「Adobe Flash Player」Windows版(それ以外のWebブラウザー用)
【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
11.6.602.168(13/02/12)
「Adobe AIR」Windows版
【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.6.0.5970(13/02/12)

(柳 英俊)