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キヤノン、Windowsの最新印刷プラットフォームに準拠した印刷支援アプリを公開
OS同梱のIPPドライバーと組み合わせ、管理の手間削減・セキュリティが向上
2025年7月7日 15:25
キヤノン(株)は7月4日、「Canon Print Assistant」を「Microsoft Store」で公開した。Windows 10/11で推奨されている印刷プラットフォームをベースに、キヤノンが提供しているプリンタードライバーに近いユーザーインターフェイスでより多くの印刷機能を提供しているという。
Windows 10/11には「IPP」(Internet Printing Protocol)に準拠したプリンタードライバーが内蔵されており、プリンターは独自のドライバーではなく、この内蔵ドライバーを利用することが推奨されている。OS同梱のIPPドライバーでは対応できない機能に関しては、「PSA」(Print Support Application)と呼ばれるサポートアプリで対応する仕組みだ。「PSA」は印刷デバイスに合わせ、「Microsoft Store」からダウンロードされる。
今回リリースされた「Canon Print Assistant」は、この「PSA」アプリに相当する。
この新しい印刷アーキテクチャーのメリットは、わざわざユーザーが適切な印刷ドライバーを探してシステムにインストールしなくても、基本的な印刷機能であればプリンターを接続するだけで利用できることだ。ドライバーは印刷プラットフォーム側で自動更新されるため、管理負担を大きく削減できる。
また、セキュリティの強化が期待できるのもメリット。高い権限で動作する印刷ドライバーはこれまでもセキュリティ攻撃のターゲットとされることが多かったが、OS側で印刷ドライバーは常に最新の状態で保たれるため、ユーザーが脆弱性対策のアップデートに追われることはない。もし「PSA」アプリに問題があっても、一般的なアプリ権限で動作するため、印刷ドライバーが侵害された場合に比べ被害は軽微だ。UWPアプリとしてサンドボックス実行されるならば、システムへの影響も最小限となる。
そのほかにも、「Windows on Arm」が標準でサポートされるのも魅力。Arm搭載デバイスでも簡単にプリンターが利用できるようになる。
「Canon Print Assistant」はオフィス向け複合機「imageFORCE」、「imageRUNNER ADVANCE DX」、「imageRUNNER ADVANCE」、「imageRUNNER」シリーズ、プロダクションプリンター「imagePRESS」シリーズ、レーザープリンター・複合機「Satera」シリーズなどに対応する。サポートデバイスは順次拡大予定。今後は「Canon Print Assistant」で利用できる印刷機能の拡充も図っていくとのこと。