LINEヤフーが全従業員に「生成AIの活用」を義務化、“まずはAIに聞く”をルールに

LINEヤフーが全従業員に「生成AI活用の義務化」

　LINEヤフー（株）は7月14日、全従業員約11,000人を対象に、同社内業務における「生成AI活用の義務化」を前提とした新しい働き方を開始すると発表した。全従業員の業務における生成AIの100％活用を実現することで、今後3年間で業務生産性を2倍に高め、継続的なイノベーションの創出を目指すという。

　本施策では、同社従業員の業務の3割を占める「調査・検索」「資料作成」「会議」などの共通領域より着手し、具体的な社内活用ルールを策定。例えば「調査・検索」においては「まずはAIに聞く」、「資料作成」においては「ゼロベースの資料作成は行わない」といったルールを設けることで、業務効率の向上を図るとしている。

生成AI社内活用ルール（一部）

　今回のルールの目的は、生成AIの活用ではなく、生成AIの活用を前提とした働き方に変え、従業員がより創造的な新しいチャレンジに集中できる環境を整備し、イノベーションの創出を図ること、としている。すでに同社では、部門内に生成AIの活用を促す生成AI活用推進者が全部署に設置されているが、今後はさらに、社内表彰や社員アンバサダー制度などの施策を通じた活用促進も実施予定だという。

　また、LINEヤフーでは、これまでも独自の生成AIツールを社内へ提供し、2025年6月からは全従業員に対して「ChatGPT Enterprise」のアカウントを付与。全従業員にリスク管理やプロンプト技術に関する必須のeラーニング研修を行ない、試験合格を生成AIの利用条件としているとのこと。すでに2025年7月14日時点で、個人向けサービスを中心に51件の生成AIを活用した機能を導入し、社内活用においては業務効率化のプロジェクトが35件以上進行中としている。