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ショートカットキー競合を検出できる「PowerToys 0.94」が公開 ~設定のあいまい検索にも対応

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「Microsoft PowerToys」v0.94.0がリリース

 米Microsoftは9月2日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新版v0.94.0を公開した。「PowerToys 0.94」では設定の検索、ショートカットキー競合の検出などの新機能が追加されている。

設定の検索

 「PowerToys」に搭載されているモジュールは年々増えており、設定項目も膨大なものとなっている。前バージョンの「PowerToys 0.93」ではダッシュボードが一新され、モジュールの管理は改善されたものの、目当ての設定にたどり着くのは容易ではなかった。

 そこで、「PowerToys 0.94」では設定ダイアログのタイトルバーに検索ボックスが追加され、ここで設定項目を探せるようになった。[Ctrl]+[F]キーなどで検索ボックスにフォーカスしてキーワードを入力すると、マッチする設定項目が最大5件、フライアウト(プルダウン)に表示される。この検索機能は“あいまい検索”に対応しているため、正確な名前を入力する必要はない。

設定の検索

 フライアウトに目当ての設定項目が見当たらない場合は、[Enter]キーを押すか、フライアウト最下部の[Show all results]をクリックすればよい。すると、検索結果ページにすべての合致する設定項目がリストアップされる。

ショートカットキーの競合

 「PowerToys」の各機能にはショートカットキーを割り当てられるが、意図した通りに動作しないこともときどきある。その原因の多くは、設定したショートカットキーが他の機能(OS、他のアプリ、他の「PowerToys」モジュールなど)のショートカットキーと重複してしまっていることだ。

バッティングしているショートカットキーがあると、ダッシュボードなどに警告メッセージを表示

 そこで、「PowerToys 0.94」ではショートカットの競合を検出し、ユーザーに警告する機能が追加された。バッティングしているショートカットキーがあると、ダッシュボードなどに警告メッセージが表示され、それをクリックすると具体的にどのショートカットキーがどれと競合しているのかがわかる。その場でショートカットキーの競合を解消することも可能だ。

その場でショートカットキーの競合を解消できる専用のダイアログ

そのほかの機能

 そのほかにも、マウスカーソルの位置を見失わないように縦横十字の補助線(ガイドライン)を表示する「マウス ポインターの十字線」に新しい“グライディングカーソル”モードが追加された。

 この機能は日本語版「PowerToys」で「滑らかに動くカーソル」と呼ばれており、Androidに搭載されている「スイッチ アクセス」にヒントを得て開発された。マウスを素早く動かして正確な場所をポイントするのが難しいユーザー向けに用意されたアクセシビリティ機能で、既定のショートカットキーは[Windows]+[Alt]+[.]キーとなっている。

「滑らかに動くカーソル」の設定。最初にショートカットキーを押したときと、二度目にショートカットキーを押したときのカーソルの移動速度をカスタマイズできる

 利用するにはまず、ショートカットキーを発動する。すると、十字のポインターが左から右へ、水平方向にゆっくり移動する。ポインターが目的の横位置へ近づいたら、もう一回ショートカットキーを発動する。すると、ポインターの動きはさらに遅くなる。続けてもう一度ショートカットキーを押すと、ポインターの横位置が確定され、同時に垂直方向にポインターが動き出す。あとは、先ほどの要領で垂直方向のポインター位置も決めてやると、その位置が正確にクリックされる。こうすることで、キーボードショートカットだけで正確な位置をマウスクリックできるというわけだ。

キーボードショートカットだけで正確な位置をマウスクリック。ゆっくり水平・垂直に動く十字ポインターをキーボードショートカットで止める感覚だ

 また、インストーラーを「WiX3」から「WiX5」へアップグレードするなどの改善も行われている。来月の次期リリースサイクル「PowerToys 0.95」では、キーボードマネージャーのUI刷新、あらかじめ定めたスケジュール通りにライトモードとダークモードを自動的に切り替える新しいユーティリティなどが計画されているとのこと。

 「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代、盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZones」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」など、『OSにも標準で備わっていればいいのに』と感じられる便利な機能が多く収録されている。

 対応OSは「Windows 10 バージョン 2004」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。

ソフトウェア情報

「PowerToys」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.94.0(25/09/02)