ニュース

OpenAI、「GPT-5.6」の一般提供を開始 ~少ないコストで高性能、安全性も強化

4つのエージェントを並列にした「ultra」モードも、高難度タスクの処理を高速化

「GPT-5.6」ファミリーが一般提供開始

 米OpenAIは7月9日(現地時間)、次世代大規模言語モデル「GPT-5.6」ファミリーの一般提供(GA)を開始した。先月末から限定プレビューされていたが、「ChatGPT」「Codex」「OpenAI API」で同日よりグローバルでロールアウトされる。

 既報の通り、「GPT-5.6」ファミリーは以下の3つの能力ティア(階層)で展開される(括弧内は100万トークンあたりのAPI料金)。

  • Sol:コーディング、ナレッジワーク、サイバーセキュリティ、科学の各分野で最高水準(SOTA)の結果を達成しつつ、従来モデルや競合のフロンティアモデルよりも少ないトークン・低い推定コストで上回る(入力5米ドル/出力30米ドル)
  • Terra:日常業務向けの高コストパフォーマンスモデル。「GPT-5.5」以上の性能を低価格で(入力2.5米ドル/出力15米ドル)
  • Luna:もっとも高速・低コスト。軽量タスク向け(入力1米ドル/出力6米ドル)

 「GPT-5.6」ファミリーの強みは、より少ないトークンでより高い性能を発揮する点だ。とくに最上位の「GPT-5.6 Sol」は長時間プロフェッショナルワークフローを評価する「Agents' Last Exam」では53.6を記録しており、Anthropicの「Claude Fable 5」(adaptive reasoning)を13.1ポイント上回る。中程度(medium)の推論設定でも「Fable 5」を11.4ポイント上回り、推定コストは約4分の1で済むという。下位ティアの「Terra」「Luna」も、約16分の1のコストで「Fable 5」を上回るとしている。

より少ないコストでより高い性能を発揮

 さらに、新しい動作モード「ultra」が提供される。これは4つのエージェントを並列で動かすことで、高難度タスクの処理を高速化するもの。「ChatGPT Work」ではPro/Enterpriseユーザー、「Codex」ではPlus以上のプランで提供される。

4つのエージェントを並列で動かすことで、高難度タスクの処理を高速化する「ultra」モード

 そのほかにも、安全面を強化。同社史上もっとも堅牢なセーフガードが導入されているとのこと。これはモデルに訓練された保護に加え、リアルタイムのチェック、会話の文脈から危害の可能性を判断する推論モニター、アカウントレベルの監視を多層的に組み合わせることで実現されている。また、一般提供に先立っては、外部専門家をまじえたレッドチーミングを実施済み。サイバー分野の防御的な高度機能は、本人確認を経た「Trusted Access for Cyber」プログラムの参加者に限って提供される。

 各サービスでの提供は、以下の通り。

  • ChatGPT:「Plus」「Pro」「Business」「Enterprise」ユーザーが、中程度以上の推論設定で「GPT-5.6 Sol」を利用可能。「Pro」「Enterprise」ユーザーは、複雑なタスク向けの「GPT-5.6 Sol Pro」も選択できる
  • ChatGPT Work/Codex:無料・「Go」ユーザーは「Terra」を利用可能。「Plus」以上のユーザーは「Sol」「Terra」「Luna」から選択でき、推論レベルも指定できる。「max」は設定でオンにすれば全ユーザーが利用可能。「ultra」は「ChatGPT Work」では「Pro」「Enterprise」、「Codex」では「Plus」以上で利用できる
  • OpenAI API:「Sol」「Terra」「Luna」の3モデルを提供