ニュース

Google、JavaScriptベンチマークスイート“Octane 2.0”をリリース

asm.js/TypeScriptに対応。ガベージコレクションやコンパイラーのレイテンシも計測

“Octane 2.0”

 米Google Inc.は6日(現地時間)、JavaScriptのパフォーマンスを測定できるベンチマークスイート“Octane”の最新版“Octane 2.0”を公開した。

 “Octane”は“V8 Benchmark Suite”の後継となるベンチマーク。2012年に公開された“Octane 1.0”は単位時間当たりの処理能力の計測を目的とした13のテストで構成されていたが、“Octane 2.0”では最近のトレンドに対応した新しい4つのテストが追加されている。

 たとえば、最近問題となりつつあるのがリッチコンテンツを動作させる際の“ひっかかり”だ。

 “Octane 2.0”で新たに追加された“SplayLatency”や“MandreelLatency”を利用すれば、ガベージコレクション(不要になったメモリ領域を自動開放する処理)やコンパイラーが原因のレイテンシ(遅延時間)をテスト可能で、“ひっかかり”の軽減に役立てることができる。

 また、“asm.js”や“TypeScript”といった新しい技術への対応も“Octane 2.0”における目玉の1つ。

 “asm.js”はMozillaが採用を進めているJavaScriptのサブセット。JavaScriptとの互換性を保ちつつ、スクリプトのパフォーマンスをネイティブコード並みに高速化する。“Octane 2.0”では“zlib”テストにより、この“asm.js”コードの処理速度を測定可能。“asm.js”に対応した「Firefox」でこのテストを実行すると、ほかのブラウザーよりも高いスコアが得られる。

 一方、“TypeScript”はMicrosoftが開発したJavaScriptのスーパーセット。JavaScriptに静的型付け機能などを追加することにより、これまでJavaScriptが苦手としてきた大規模なアプリケーションの開発を容易にする。“TypeScript”をJavaScriptに変換するコンパイラーはJavaScriptで記述されており、“Octane 2.0”の“TypeScript”テストではそのコンパイル速度が計測できる。

(柳 英俊)