レビュー

武器使いと魔法使い、二人の少女を切り替えながら戦っていく2DアクションRPG「きみと ゆうきの ものがたり」

風の魔法で川を飛び越えたり、さまざまなフィールドギミックも。丁寧な作り込みが光る作品

「きみと ゆうきの ものがたり」

 「きみと ゆうきの ものがたり」は、剣と魔法の世界で二人の少女が冒険を繰り広げていく2DアクションRPG。フリーゲームとして公開されており、Windows版をふりーむ!からダウンロードできる。また、Web上でプレイ可能なブラウザー版も用意されており、ゲーム投稿サイト“RPGアツマール”にてプレイ可能。執筆時現在のバージョンでは第1章までが収録されており、第2章以降は制作中となっている。

 主人公は、魔法使い見習いのアーシャと、その友人のセラという二人の少女。アーシャの母で高名な魔法使いであるアンナのもとへ魔法協会から手紙が来たことをきっかけに、二人はちょっとしたお使いの旅へ出ることになる。しかしそれはやがて、ある陰謀にまつわる大きな事態へとつながっていく……。

 操作はキーボードのほかマウスにも対応。物理攻撃タイプのセラと、魔法を操るアーシャを切り替えながらフィールドを進んでいく。さらに各キャラクターの武器や魔法も切り替えることができ、セラは範囲の広い近接攻撃ができる剣や射程が長い銃、アーシャは多段ヒットする炎の魔法などで戦う。敵ごとにどの攻撃が弱点かの違いがあるほか、攻撃には時間経過で自然回復するMPを消費するため、キャラクターを切り替えながら戦うのがポイントとなる。

 さらに、アーシャの魔法には川などを飛び越えられる風の魔法もあるほか、特定の攻撃で障害物を取り除くといったフィールドギミックも存在。ゲームの動きを止めて、マウスでクリックした場所を調べられる“注視モード”も用意されており、手が届かないような場所に謎解きのヒントが置かれていることがあるなど、探索も本作の楽しみのひとつだ。

しっかり者のアーシャと活発なセラ、二人の少女の冒険が描かれる
風の魔法を利用すると川などを飛び越えることが可能
“注視モード”で画面上のものをクリックすることによりヒントが得られることも

 セーブは回復ポイントを兼ねたセーブポイントで行う方式で、ダンジョンなどセーブポイントの間隔が比較的広い場面もある。セラとアーシャのどちらか片方でもHPが0になるとゲームオーバーで、敵の攻撃を受けた際のダメージ量はそこそこ多く、被ダメージ時の無敵時間などもないため追い込まれると一気に大ダメージを受けることも。プレイ中の緊張感はなかなかに高い。

さまざまなアクションを駆使して戦う、白熱のボス戦も待ち受けている

 とはいえ回復アイテムが随所に落ちているなど、着実にフィールドを探索しながら進めていけば行き詰まるような場面はほぼなく、程よい手応えを感じられるゲームバランスという印象だ。第1章終盤のとあるボス戦では、魔法による移動も駆使しながら戦うような白熱のバトルも味わえる。キャラクターとキャラクター毎のアクションという、二重の切り替えが発生する操作はやや忙しいが、それだけにしっかりと操作して華麗に戦えた時の爽快感はなかなかのものだ。

 本作は、キャラクター切り替えを特徴としつつも全体的にはトップビューの2DアクションRPGとして王道の作りとなっており、ゲームバランスやマップデザインなど丁寧な作り込みが光る作品だ。第1章のラストでストーリーは大きな転機を迎えるほか、ゲームを進めることで武器や魔法が増えていくなどアクション面でも今後が楽しみな作品となっている。第2章以降の展開にも期待したい。

ソフトウェア情報

「きみと ゆうきの ものがたり」ダウンロード版
【著作権者】
STUDIO KOALA
【対応OS】
Windows
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.01(16/12/16)
「きみと ゆうきの ものがたり」Web版
【著作権者】
STUDIO KOALA
【対応OS】
(Webブラウザー)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(16/12/15)

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