レビュー
知識ゼロでもベクターを使ったアニメーションが作れる無料ツール「9VAe きゅうべえ」
描いた絵を移動・変形・拡大・縮小し、その間のコマを補完することで動画に
2020年1月27日 06:45
「9VAe きゅうべえ」は、手軽にベクターを使ったアニメーションを作成できるツール。64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8/10に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロード可能。Windows版の他にMac/Linux/iOS/Android/Raspberry Pi版も用意されている。
アニメーション作成というと、パラパラ漫画の要領で1コマ1コマ絵を描き、連続して表示することで動画にする手法を思い浮かべがちだが、本ツールでは描いた絵を移動・変形・拡大・縮小し、その間のコマを補完することで動画にすることが可能。ユーザーインターフェイスは落書き風だが、多機能で、一昔前のFlashアニメのような作品を制作することもできる。
もっとも簡単にアニメーションを作るなら、まず“1コマアニメーション”を試してみよう。画面上部の鉛筆型ボタンを押し、好きなように絵や文字をキャンバスに描いた後、鉛筆型ボタンをもう一度押せば、線を描いた過程が再生されるとともに、「ウゴツール」のように線がぶるぶると震えるアニメーションを作成可能。
もちろん、もっと高度なアニメーションを作成することもできる。キャンバスへ絵を描いた後画面上部の[+]ボタンを押すと、その絵が次のコマにコピーされる。その絵を移動・変形・拡大・縮小すればその間のコマを補完され、滑らかに動くアニメーションになる。
描いた絵を変形させるには、左サイドバーに2つある赤い丸が付いたボタンの左側を押すと、線上に表示される制御点を移動させればよい。また、[編集]-[効果]メニューから[つぶす][くずす][うずまき右]といった効果を選択して変形させることも可能。変形を繰り返しながら移動・拡大・縮小することも可能で、たとえば人の足を動かすように変形させながら、移動させることで歩いているアニメーションを作れる。
描画関連のツールは、ペンツールや四角形・円形の描画ツール、テキストの描画ツールなどが用意されている。また、グラデーションによる塗りつぶしや半透明の表現も可能だ。各種ツールのボタンはマウスカーソルを重なると、画面下部に説明が表示されるので参考にするとよいだろう。
制作したアニメーションは、アニメーションGIFやアニメーションPNG(APNG)ファイルとして出力するほか、専用ビューワーで再生できる独自形式(EVA形式)やWebブラウザーなどで再生できるSVG形式で保存可能。また、画像ファイルを取り込む機能も備えており、アニメの背景に写真や他のツールで作成した絵を利用できる。
ソフトウェア情報
- 「9VAe きゅうべえ」
- 【著作権者】
- 9VAeきゅうべえアニメ研究所 (EVA★プロジェクト)
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.6.12