REVIEW(09/09/16)

“RPG風アドベンチャーゲーム”を作れるフリーのゲーム制作ソフト「AzDesignADV」

RPG制作ソフトからアドベンチャーに不要な要素を削り、習得を比較的容易に

「AzDesignADV」v1.03「AzDesignADV」v1.03

サンプルプロジェクトのテスト実行画面サンプルプロジェクトのテスト実行画面

 「AzDesignADV」は、RPG風のシステムをもつアドベンチャームを制作できるゲーム制作ソフト。Windows 98/Me/2000/XPに対応するフリーソフトで編集部にてWindows Vistaでの動作も確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。

 プログラムの記述が不要で見下ろし型の2D RPGを作れる「RPGツクール」などのおかげで、現在は個人制作のRPGが数多く作られている。それに伴なって、日本のゲームプレイヤーにとって馴染み深い2D RPGの体裁を利用したアドベンチャーゲーム(以下、ADV)も登場した。コマンド型ADVでは一瞬で済まされてしまう移動などをプレイヤーの操作として体験できるRPGのシステムは、推理系のADVや、閉鎖空間からの脱出を目指すADVなどとの相性がよい。

 しかし、こういった作品を作る用途でRPG制作ソフトを利用した場合、ADVには必要ない要素に邪魔されて制作に集中できなかったり、制作方法の習得に時間がかかったりすることもあるだろう。そこで一般的なRPG制作ソフトの機能のうち、戦闘やステータス管理などADVには不要と思われる機能を削って、“RPG風のADV”の制作に特化したのが、「AzDesignADV」だ。

 制作できるゲームは画面サイズが320×240ピクセル固定で、高精細な画面作りをしたい場合は解像度が足りないが、昔のゲーム機風、あるいは現在でも採用作品が多い「RPGツクール2000」風の作品を作るにはぴったりだろう。そのほかの仕様は、画像がPNG/JPEG対応、サウンドがMIDI/WAVE/Ogg Vorbis対応などとなっている。操作はキーボードとゲームパッドの両方に対応する。

 制作方法は、マップを作成してキャラクターなどを配置し、それにイベントを設定していくという、一般的なRPG制作ソフトと同等のもの。マニュアルが付属するほか、サンプルプロジェクトが公開されているので、これらを見ながら制作していくとよいだろう。完成したゲームは、実行に必要なデータと専用のプレイヤーをセットでフォルダへ出力することができ、無償・有償を問わず自由に配布できる。

【著作権者】
Azel 氏
【対応OS】
Windows 98/Me/2000/XP(編集部にてWindows Vistaで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.03(09/02/06)

(中村 友次郎)