REVIEW(10/08/25)
ソフトを設定ごと単体のEXEへまとめるアプリケーション仮想化ソフト「Cameyo」
カスタマイズ済みのアプリを配布したりUSBメモリなどで持ち運ぶといった用途に
「Cameyo」は、任意のアプリケーションを単一の実行ファイルへパッケージ化するアプリケーションの“仮想化”ソフト。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。
インストーラーつきアプリケーションの多くは、インストール時にさまざまなコンポーネントの追加や設定、レジストリの編集といったプロセスが必要になるため、実行ファイル単体をそのままコピーしても、ほかのPCでは動作しないことが多い。
そのため、複数のPCで利用する場合、毎回インストール作業をしなければならないのが面倒。また、セットアップ時にアプリケーションの設定を変更して、利用シーンに合わせたカスタマイズを施すことも多いが、そういったインストールのたびに発生するカスタマイズ作業も、積もり積もれば馬鹿にならない。
本ソフトは、そういった問題を“アプリケーションの仮想化技術”によって解決しようというもの。カスタマイズした設定や必要なコンポーネントも含めてまるごと、単一の実行ファイルへパッケージ化できるので、複数PCへ設定済みのアプリケーションを一斉配布したり、USBメモリなどで持ち運んでさまざまなPCで利用するといったことが可能になる。
アプリケーションの仮想化の際には、セットアップ時にインストールされるファイルや編集されたレジストリなどの情報を収集する必要がある。そのため、本ソフトでは仮想化対象のアプリケーションのインストール前とインストール後の2回、システム全体をスナップショットとして保存し、それらを比較する。
スナップショットを作成するには、まず本ソフトの[Capture instration]ボタンを押し、専用のツールを起動しよう。本ツールはデスクトップ右下へダイアログを表示し、自動で現在の状態をスナップショットとして保存する。この作業には多少時間がかかるので、そのまま何もせずに待とう。
保存が終わると、アプリケーションのインストールを行うよう指示されるので、仮想化したいアプリケーションをインストールする。もし、必要なプラグインや拡張機能があったり、カスタマイズしたい設定がある場合は、同時にそれも施しておく。
セットアップ作業が済んだら、スナップショット作成ツールの[Install done]ボタンを押そう。すると、インストール後のスナップショットの保存、インストール前のスナップショットとの比較、単体の実行ファイルへのパッケージ化といった作業が行われる。最後に、仮想化された実行ファイルを利用した際に実行するプロセスを指定すれば、設定は完了。「(パッケージ名).(実行するプロセス名).virtual.exe」という名前の実行ファイルを起動すると、仮想化されたアプリケーションが利用可能になる。
さらに、本ソフトにはパッケージ化された仮想化済みアプリケーションを編集するツールも付属している。このツールを利用すれば、本ソフトで仮想化されたファイルやレジストリの変更状況なども閲覧可能だ。
なお、編集部にて試用したところ、「Opera」などのソフトを仮想化できることを確認したが、なかには仮想化が正常に行えないソフトもあった。まだまだ万能とは言えないものの、このようなソフトがフリーで提供されているのはうれしいところだ。
- 【著作権者】
- Cameyo
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 7で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.4(10/08/17)