REVIEW(11/12/12)
高機能で軽快なペイント系グラフィックソフト「FireAlpaca」
スナップ機能で平行線や集中線を自在に描画
「FireAlpaca」は、シンプルながら必要な機能を十分に備えたペイント系グラフィックソフト。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows Vistaで動作確認した。本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。なお、本ソフトの起動時には広告が表示される。
本ソフトはタブレットの筆圧感知に対応しており、滑らかで狙ったところに線を引ける書き味が特長だ。インターフェイスは、画面の左側にツール類とペンの設定が、画面の右側にレイヤーやプレビューなどの見栄えに関する機能が配置されるなど、一般的なペイント系グラフィックソフトを使ったことのある人ならあまり迷わず操作できるもの。また、ステータスバーにはツールごとの簡単な操作方法も表示される。そのほか、複数の画像を同時に開いてタブで描画対象を切り替えることも可能。
機能のなかで大きな特長となるのは、ブラシツールや消しゴムツールの選択時に、画面上部へ表示されるスナップ機能だ。定規でガイドを当てるようにして線を一定方向に引けるため、平行線を多用する背景などの作画を効率的に行うことが可能。縦横方向だけでなく、斜めの平行線や消失点、集中線といったスナップ機能が利用できる。
このスナップ機能の基準位置や傾きを変更したい場合は、画面上部の“スナップ”領域のなかから、黒丸型の[スナップ設定]ボタンを選択してキャンバス上で操作を行う。
また範囲選択では、選択ツールを選んだあとに画面上部のプルダウンリストで“矩形”“楕円”“多角形”“投げ縄”から形状を選ぶ。また、[丸める]にチェックを入れることで、簡単に角丸矩形などを作ることが可能。
画像の保存形式は独自形式のほか、BMP/PNG/JPEG/PSD形式にも対応。独自形式とPSD形式ではレイヤー情報の保存も可能だ。
このように高機能な本ソフトだが、ドキュメント類やチュートリアルがまだなく、ツールのヘルプがボタンの位置ではなくステータスバーに出るなど、若干の説明不足やわかりにくさを感じる。また、レイヤーのグループ化やドット単位の移動ができなかったり、キーカスタマイズに対応していないのは今後に期待。なおキーに関しては、IMEを切り換えたあとに入力が効かなくなることがときどきあった。
よい点としては、書き味に優れていることと、スナップ機能が使いやすい場所に配されていることが挙げられる。また、色の選択欄が大きいのも、タブレットで操作している際に使いやすい。各機能の完成度は高く、これからの進化が期待できるソフトだ。なお、本ソフトはMac OS X版も公開されている。
- 【著作権者】
- firealpaca.com
- 【対応OS】
- Windowsなど
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0.8