REVIEW（10/03/12）

　「Microsoft Maren」は、マイクロソフトによって開発されたアラビア文字の入力補助ソフト。Windows XP/Vista/7に対応するフリーソフトで、同社のWebサイトからダウンロードできる。

　本ソフトは、ローマ字入力されたアラビア語を、その場でアラビア語のアルファベット表記へ変換できるソフト。「Microsoft IME」や「ATOK」といった日本語入力システムのアラビア語版だと思えばよいだろう。

　アラビア語圏ではインターネットでのチャットなど、キーボードですばやく文字を入力する際にローマ字表記を利用するすることが多いという。しかし、この表記方法では一部ローマ字では表せない文字を数字で代用するため、そのままでは意味が通りにくい。そこで本ソフトを利用すれば、速度を極力犠牲にすることなく、ローマ字表記に慣れないユーザーでも理解できるアラビア文字表記で入力できるわけだ。

　本ソフトを利用すれば、アラビア語キーボードをわざわざ入手したり、ソフトウェアキーボードを利用したりしなくても簡単にアラビア文字を入力できるので、日本人のアラビア語学習者にとっても有用だろう。まったくアラビア文字がわからない人も、自分の名前や知っている地名などを入力するだけで楽しめるので、ぜひ試してみてほしい。これをきっかけに、アラビア語に興味がわくかもしれない。

　利用方法は簡単で、言語バーの言語を“アラビア語（サウジアラビア）”に切り替えるだけで本ソフトが有効になる。変換方法は日本語入力システムとほぼ同じだ。さらに、言語バーの［設定］メニューから“テキスト サービスと入力言語”ダイアログを開き、［詳細なキー設定］タブで既定の言語へ切り替えるショートカットを好みのものへ設定しておくと、普段使いの言語へすぐに戻せて便利。

　対応する表記方法は“Arabizi”“Arabish”“Franco-Arabic”など。それぞれの表記方法については、下記リンクの英語版“Wikipedia”の記事などを参照してほしい。そのほか、“ISA（Insha'Allah：すべては神の思し召し）”“JAK（Jazakallah Khair：神の恵みがありますように）”といったよく使われる慣用句の略語などにも対応しており、略語から元のアラビア語の文章へ簡単に変換できる。