REVIEW(10/05/17)

インストールするだけであらゆるソフトのテキストを美しく滑らかに描画「gdipp」

64bit版Windowsでも利用可能

「gdipp」「gdipp」

インストール方法は“Windows Service”“Registry”“Program Loader”の3つを選択可能。通常は“Windows Service”を選択しようインストール方法は“Windows Service”“Registry”“Program Loader”の3つを選択可能。通常は“Windows Service”を選択しよう

 「gdipp」は、さまざまなWindowsソフト上でのテキスト描画を美しく滑らかにするソフト。Windows Vista/7および同64bit版に対応するフリーソフトで、“Google Code”のプロジェクトページからダウンロードできる。

 本ソフトは、Windowsのグラフィック描画を担当するコンポーネント“gdi.dll”の一部機能を乗っ取って自前でアンチエイリアス処理を施すことにより、テキスト描画の品質を改善する。

 同種のソフトとしては現在開発中止となっている「gdi++.dll」があるが、「gdipp」は同ソフトの後継として別作者により開発されている。「gdi++.dll」と比べて「gdipp」が優れている点は、64bit版Windowsに対応すること、縦書きテキストの描画にも対応すること、各種メディアプレイヤーの字幕描画でも効果を発揮すること、各種コントロールで利用した際の互換性が向上していることなど。引き続き機能強化やパフォーマンス改善が図られるとのことで、今後の開発が楽しみだ。

 利用方法は簡単で、基本的にはインストールするだけで効果を発揮する。インストール方法は以下の3つが用意されており、通常は“Windows Service”を選択すればよいだろう。

  • Windows Service:Windowsのサービスとしてインストールする。Windowsの起動直後から、すべてのプログラムが「gdipp」で描画されるようになる。無効にしたい場合は、“gdipp”サービスを停止すればよい。
  • Registry:サービスとしてインストールするよりも高速だが、安定性は若干劣る。不具合が起こっても自分で解決できる上級者向け。インストール後、再起動が必要。
  • Program Loader:デスクトップに本ソフトのショートカットを作成する。ショートカットへ「gdipp」を利用したいアプリケーションをドラッグ&ドロップすることで、当該アプリケーションのみで「gdipp」を有効にすることが可能。

 本ソフトを有効にすると、とくに明朝系のフォントを利用した際の視認性が著しく向上する。逆に、ゴシック系のフォントは字が太めになり、場合によっては潰れてしまうこともあるようだ。

「gdipp」を利用しない場合の「メモ帳」(フォントは“MS 明朝”)「gdipp」を利用しない場合の「メモ帳」(フォントは“MS 明朝”)

「gdipp」を利用した場合の「メモ帳」(フォントは“MS 明朝”)「gdipp」を利用した場合の「メモ帳」(フォントは“MS 明朝”)

「gdipp」を利用しない場合のIE8「gdipp」を利用しない場合のIE8

「gdipp」を利用した場合のIE8「gdipp」を利用した場合のIE8

「gdipp」を利用しない場合のIE8(500%拡大)「gdipp」を利用しない場合のIE8(500%拡大)

「gdipp」を利用した場合のIE8(500%拡大)「gdipp」を利用した場合のIE8(500%拡大)

 本ソフトの細かい描画設定は、インストールフォルダにある“gdipp_setting.xml”を編集することで行える。本ソフトを利用しないプログラムを除外指定することもできるので、本ソフトと相性の悪いソフトがあれば登録しておくとよいだろう。

【著作権者】
crendking 氏
【対応OS】
Windows Vista/7/Vista x64/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.7.6(10/04/23)

(柳 英俊)