EPWING/EB形式対応の電子辞書検索ソフト「EBWin4」

「EBWin4」v4.0.14

　「EBWin4」は、EPWING/EB形式をはじめとするさまざまな形式に対応する電子辞書検索・閲覧ソフト。Windows XP/Vista/7/8および64bit版の7/8に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。なお、動作には「Microsoft .NET Framework 4 Client Profile」および「Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86) 」が必要。

　本ソフトは、2004年から開発されている電子書籍ビューワー「EBwin」の後継ソフトで、C#言語により全面的に作り直されている。

　主に対応するのは、EPWINGおよび電子ブック（EB）規格の電子書籍。いずれも専ら電子辞書用として90年代から00年代前半にかけて辞書CD-ROMなどで多く採用されたが、現在では商業的にはほぼ廃れた形式となっている。しかし、辞書は長期にわたり役立つコンテンツのため、10年前のCD-ROMでも辞書によっては十分実用になる。「EBWin4」を使えば、こうした辞書CD-ROMなどを最新の環境で利用することが可能だ。

　また、EPWINGは規格が公開されているため、インターネット上には有志が作成したフリーの辞書も存在する。そのほか、本ソフトはロゴヴィスタ社が販売している「LogoVista電子辞典シリーズ」（一部タイトルを除く）やPDIC形式にも対応しており、これら形式の異なる辞書を、ひとつのソフトで統合的に扱えるのも便利だ。

　ソフトの機能としては、複数の辞書のグループ分けや串刺し検索、見出し語の前方・後方・完全一致検索、逐次検索（インクリメンタルサーチ）、全文検索など、一通りの機能を備えている。辞書に含まれる図版の表示や音声・動画の再生も可能だ。画面は左側に検索語の一覧、右側に本文が表示されるシンプルな2ペイン型となっている。

　そのほか、検索した辞書から任意の項目を登録できるブックマーク機能や、英単語の変化形を原型に戻して検索する語尾補正機能なども搭載。起動時のコマンドラインオプションにより検索語や辞書・辞書グループを指定することもできるので、他のソフトとの連携も可能だ。

　なお本ソフトにはAndroid/iOS版も存在するほか、作者によるとWindows RTやWindows Phone 8についても、時期は未定だが移植が予定されているという。EPWING/EBという貴重な資産を末永く活用できるよう、今後の展開にも期待したい。