レビュー

名前のわからないPCIデバイスの正体を突き止めるのに便利なユーティリティ「PCI-Z」

デバイスを列挙して“ハードウェア ID”をデータベースと照合できるポータブルアプリ

「PCI-Z」v1.2
「PCI-Z」のコマンドラインインターフェイス

 「PCI-Z」は、PCIデバイスの情報を取得できるツール。64bit版を含むWindows 2000/XP/Vista/7/8およびWindows Server 2003/Server 2008/Server 2012に対応するフリーソフトで、オープンソースのWindows互換OS「ReactOS」でも動作可能。作者のWebサイトから32bit版と64bit版がダウンロードできる。なお、本ソフトの配布ファイルは圧縮されておらず、実行ファイルそのものとなっている。

 本ソフトを利用すると、システムにインストールされているPCIデバイス(PCI Express、PCI-Xを含む)をすべて列挙することが可能。“ハードウェア ID(PCI ID)”を“The PCI ID Repository”で配布されているデータベースと照合してハードウェアの名前やベンダー名といった情報が取得できるのが特長で、ドライバーがインストールされておらず、「デバイス マネージャー」で“不明なデバイス”と表示されてしまうデバイスの正体を突き止めるのに便利。外部ライブラリを一切必要とせず、単体の実行ファイルで機能するので、USBメモリなどに入れておけばトラブルシューティングの際に役立つはずだ。

 利用の際は、まず[Database]-[Check for Update]メニューを選んで“PCI ID”データベースを更新しておくとよいだろう。データベースファイルは“pci.ids”という名前で実行ファイルと同じフォルダに保存される。

 メイン画面にはシステム情報とPCIデバイスの一覧が表示される。列の左端に注意アイコンが表示されているデバイスは、ドライバーがインストールされていないなどといった理由でエラーが発生していることを示す。右クリックメニューにあるGoogle検索機能を利用してドライバーを探してみよう。この右クリックメニューからは、ハードウェア名やベンダー名をクリップボードへコピーするといったこともできる。

 そのほかにも、取得したPCIデバイスの一覧をCSV形式でエクスポートする機能や、SMTPサーバーを利用して一覧をメールで送信する機能などを備える(SSLや認証には非対応)。実用的かどうかはさておき、コマンドラインインターフェイスと組み合わせて定期的にレポートをメールで送信するといった使い方もできそうだ。

 ところで、「PCI-Z」という名前を聞くと「CPU-Z」「GPU-Z」といった有名ソフトと関係がありそうに思われるが、作者は異なり、直接の関係はない。ただし、名前を付けるにあたって「CPU-Z」の作者から許可は得ているようだ。

ソフトウェア情報

「PCI-Z」
【著作権者】
Bruno Banelli 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8/Server 2003/Server 2008/Server 2012など(64bit版を含む)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.2(14/01/27)

(柳 英俊)