杜のAndroid研究室

第181回

カメラで撮影した名刺情報をテキスト化して管理「Eight」

オペレーターが名刺情報を正確にテキスト化。ユーザー同士で交流も可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、スマートフォンのカメラで名刺を撮影することで、情報をテキストデータ化して登録できる名刺管理アプリ「Eight」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

名刺情報をカメラで撮影し、テキストデータで管理できるアプリ

「Eight」

 「Eight」は、スマートフォンのカメラで撮影した名刺の情報をテキストデータ化し、登録できる名刺管理アプリ。撮影した名刺画像をサーバーに送信することで、オペレーターによる手作業で入力が行われ、名刺情報を正確にテキストデータ化できるのが特長。また、名刺交換した相手が本アプリを使っている場合、アプリ上で自動でつながることができ、テキストメッセージをやりとりするといったSNS機能も備える。

 なお、名刺情報の入力を行うオペレーターは、名刺を登録したユーザーの情報を認識していないため、誰が誰の名刺を登録したかは知られることがない。また、開発元のSansan社は日本工業規格が定める“JIS Q 15001”に適合していることを示す“プライバシーマーク”を取得しており、第三者に認定されたセキュアな運用方式でサービスが提供されている。本アプリの通信はすべて暗号化されるほか、セキュリティ審査機関から認定されたデータセンターでデータが保管されるため、登録した名刺が第三者に見られる心配はなく、安心して利用可能。

 利用するには、まずメールアドレスまたはFacebookアカウントを登録した上で、自分の名刺をカメラで撮影して画像を送信する必要がある。数時間で名刺情報がテキストデータ化されると、名刺のメールアドレスに認証メールが送信されてくるので、記載されているURLにアクセスして認証すれば、会員登録を完了することが可能。

 なお、自分の名刺画像の送信後には、本アプリの使い方を学べるチュートリアルが表示されて閲覧できる。チュートリアルが終了すると、そのまま他の人の名刺の登録へ進むことができ、認証メールが送信されてくる前に、名刺の登録作業を進めておくことが可能。

メールアドレスまたはFacebookアカウントを使って会員登録を行う
会員登録には、自分の名刺をカメラで撮影し、画像を送信する必要がある

撮影した名刺画像を送信すると、情報がテキスト化される

撮影画面右上のボタンで“片面モード”と“両面モード”を切り替えて撮影可能

 名刺交換で入手した名刺を撮影して登録するときは、起動画面左下の[名刺登録]ボタンをタップしてカメラを起動しよう。撮影画面に表示される赤枠の内側に名刺全体を収めて、シャッターボタンをタップすれば撮影できる。なお、撮影画面右上の[片面モード]ボタンをタップし、“両面モード”に切り替えると、両面印刷の名刺の表裏を連続で撮影可能。また、撮影画面左上の[AF]または[フラッシュ]ボタンをタップすれば、オートフォーカスやフラッシュのON/OFFも行える。

 複数の名刺を連続で撮影することが可能で、撮影後に[確認]ボタンをタップして表示される画面では、撮影した名刺画像を一覧できる。各画像をタップし、拡大表示できるほか、各画像右下にある[画像を確認/削除]から画像の再撮影または削除を行うことも可能。一覧画面右下にある[登録]ボタンをタップすれば、名刺画像を送信してテキストデータ化を行える。なお、各画像の右側にあるアイコンをタップしてONにしてから送信すると、名刺の人物が本アプリを使っていない場合に、記載されているメールアドレスへ本アプリの招待メールが送信される。

 名刺情報のテキストデータ化は最大1週間程度で完了し、起動画面中央の“データ入力待ち”項目から入力中の名刺を確認可能。また、テキストデータ化が完了すると、通知が行われる。

[登録]ボタンをタップすると、名刺画像を送信してテキストデータ化できる
名刺情報のテキストデータ化は最大1週間程度で完了し、入力中の名刺を確認可能

氏名や会社名から名刺情報を閲覧でき、メール作成や通話発信も簡単

テキストデータ化された名刺は、氏名の50音順や会社名、撮影月やキーワード検索で探せる

 起動画面中央の“すべて”項目から撮影した名刺を一覧でき、すでにテキストデータ化が完了している名刺は、氏名の50音順から選択して詳細を閲覧可能。また、画面上部の[会社名][名刺交換月]タブを選択し、会社名一覧や、名刺を撮影した月ごとの名刺一覧から名刺を探せるほか、キーワードで名刺を検索することもできる。

 名刺の詳細画面では、氏名と名刺画像のほか、会社名や役職、メールアドレスや電話番号、会社の住所やホームページURLなど、名刺に記載されている情報をテキストで確認可能。さらに、メールアドレスや電話番号などをタップすることで、メールアプリで新規メールを作成して送信したり、電話アプリで電話をかけることなどができる。

 なお、名刺はラベルで分類することも可能。起動画面右下の[ラベル作成]ボタンからラベルを新規作成し、表示されるラベル画面の左下にある[名刺登録]ボタンから名刺を撮影することで、名刺にラベルを自動で付加して登録できる。また、個別の名刺の詳細画面で[ラベル]タブを選択し、既存のラベルを選択したり、ラベルを新規作成して、あとから名刺をラベルに分類することも可能だ。たとえば、イベントなどで交換した名刺をまとめて分類したいときに便利。

名刺の詳細画面では、テキストデータ化された情報を閲覧でき、メール作成や通話発信もすばやく行える
作成したラベルで名刺を分類することが可能

「Eight」ユーザーと自動でつながり、メッセージの送受信も可能

 すでに本アプリを利用しているユーザーの名刺情報を登録した場合、相手にも通知と共に自分の名刺情報が共有され、アプリ上で自動でつながれる仕組みになっている。また同様に、他のユーザーが自分の名刺情報を登録した場合には、相手の名刺情報が名刺一覧に自動で追加され、通知を受けることが可能。アプリ上でつながっているユーザーは、名刺一覧の氏名の右側に“∞”マークが表示される。

 つながっているユーザーとは、テキストメッセージのやりとりができ、名刺の詳細画面右上のフキダシ型ボタンをタップして表示される画面で、テキストを入力して送信可能。メッセージを受信すると通知が行われ、チャットアプリ感覚でメールよりも手軽にコミュニケーションがとれる。

 また、つながっているユーザーの名刺情報が昇進や転職などで更新された場合には、通知を受けられると共に、アプリ上の名刺情報も自動で更新されて確認可能。名刺の詳細画面の[職歴]タブでは、過去の名刺情報を一覧表示できる。なお、自分の名刺情報を更新するときは、起動画面左上の[メニュー]ボタンをタップして表示されるメニューで[プロフィール]項目を選択し、“プロフィール”画面から最新の名刺を撮影して送信すればよい。

アプリ上でつながったユーザーとテキストメッセージのやりとりができる
メニューの[プロフィール]項目から最新の名刺を登録し、情報を更新できる

Facebookの友達とアプリ上で名刺情報を交換可能

 そのほか、名刺交換をしたことがないFacebookの友達などとアプリ上で名刺情報を交換し、つながることも可能。メニューの[外部サービス接続]項目を選択して表示される画面から、Facebookアカウントへ接続することで、本アプリを利用しているFacebookの友達にリクエストが送信され、承認されると名刺情報を交換できる。同様にGoogleアカウントで接続すると、Gmailの“連絡先”に登録されている本アプリのユーザーにリクエストを送信することが可能。

 なお、本アプリで登録した名刺情報はオンラインに保存されており、PCなどのWebブラウザーで“Eight”のWebサイトにアクセスし、ログインすることでも閲覧可能。また、スマートフォンの機種変更などを行っても、データ移行の必要なくログインするだけで名刺情報を同期し、利用を続けることが可能。

FacebookアカウントやGoogleアカウントを接続することで、知り合いに名刺情報の交換をリクエスト可能
リクエストを受信すると通知が行われ、承認すると名刺情報を交換できる
「Eight」
【著作権者】
Sansan(株)
【対応OS】
Android 2.3以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
4.1.7(14/02/03)

(ライターズハイ:鈴木 友博)