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手を使わずに電子書籍を読みたい! ハンズフリーでページをめくるワザ

 電子書籍は、ページ数が多くてもかさばらない、などのメリットのほかに、開いた状態でもページが閉じないことも、実は隠れた利点と言えます。紙の本であれば、両端を手で持ったり、上から押さえなければ開いたページが閉じてしまいますが、電子書籍ではそのようなことはありません。これにより、紙の本に比べて自由な持ち方での読書を可能にしています。

 さて、電子書籍でページをめくる場合、ページの端をタップするか、もしくは左右にスワイプするのが一般的ですが、もしハンズフリーでのページめくりが行えれば、寒い日に布団にくるまったまま読書したり、タブレットホルダーに固定してキーボードを打ちながらページをめくったりと、よりいっそう参照の自由度が高くなるはずです。手袋をしていてタッチスクリーンが反応しない場合にも重宝します。

 今回は一部のアプリで実装されている、ハンズフリーでページめくりやスクロールが行える機能を紹介しましょう。

声を出したりマイクに息を吹きかけてページをめくる方法

 まずひとつは音によるページめくりです。スマホまたはタブレットのマイクで一定レベル以上の音を拾うと、それと連動してページをめくってくれるという仕組みです。iOSアプリであれば「ComicGlass」、Androidアプリであれば「ComittoN」などがこの機能を搭載しています。声を出す以外に、マイクに息を吹きかけるのでも構いません。

 ページめくりは順方向はもちろん、逆方向にも対応していますので、意図せずページがめくられてしまった場合も、手を使わずに元のページに戻せます。アプリによっては音のしきい値も変更できますので、騒々しい場所でも快適なページめくりが行なえます。

iOSアプリ「ComicGlass」の例。マイク入力でページめくりが行なえます

視線を使ってページをスクロールする方法

電子書籍の専用アプリではありませんが、視線での操作が行えるアプリも、ハンズフリーでの操作という点では有望です。例えばiOS向けのWebブラウザーアプリ「Eye Net Surfer」であれば、視線による上下スクロールに対応しています。ブラウザー上に表示した縦スクロールタイプの電子書籍と組み合わせれば、視線だけでページを上下に移動しつつ読むことができます。

この「Eye Net Surfer」はしばらくアプリの更新が止まっており今後の展開が不透明ですが、最近はこれ以外にもVRに関連して、メニューをじっと見つめることで選択可能なインターフェイスも開発されており、視線でのスクロールと合わせて、電子書籍への応用が期待されます。

iOSアプリ「Eye Net Surfer」の例。ブラウザーに表示したページを視線を使って上下にスクロールできます
「Eye Net Surfer」の設定画面。感度やスクロールの速度を調整できます

山口 真弘

 テクニカルライター。PC周辺機器や電子書籍、電子辞書、ウェブサービスについてのハウツー記事をImpress Watch/ITmedia/CNETなどのWeb媒体に執筆。著書に『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)など。

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