いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】0から始まる数値をエクセルに入力すると勝手に0が消されてしまう……3つのテクで解決!

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

0から始まる数値をセルに入力したいのに勝手に消されてしまう!

 会員番号や電話番号など、0から始まる数値をExcelでセルに入力する機会は多いです。たとえば、0から始まる6桁の会員番号、ここでは「000001」と入力し、[Enter]キーを押した場合を再現してみます(①)。

 すると、会員番号の冒頭0が全部消えてしまいます(②)。6桁の会員番号をセルに入力したのに勝手に冒頭の0が不要と判断され、1桁の数字に変換されてしまったのです。

 「03」や「090」で始まる電話番号をセルに入力した場合も同様に、冒頭の0が消えて「3」や「90」のように変換されてしまいます。このような桁数を勝手に変更されて困ってしまった経験はないでしょうか?

 今回は、0から始まる数値をセルに入力したときに、勝手に変換されず、正しくセルに表示させるテクニックを3つご紹介します。

テクニック1 冒頭に「’」を挿入して数値を文字列として入力する

 1つ目のテクニックは、数値の前に[Shift]+[7]キーで半角のシングルクオーテーション「’」を入力するというものです。

 たとえば6桁の会員番号「000001」を入力したい場合は、「’000001」と入力します(①)。

 次に[Enter]キーを押して入力を確定します(②)。

 入力した数値から冒頭の0が消されずに、セルに6桁の会員番号「000001」が正しく表示されました(③)。

 先頭に「’」を付けて入力すると、データは文字列として扱われるようになります。数値としては勝手に不要と判断された冒頭の0が、文字列では不要と判断されないため消されないのです。

テクニック2 セルの書式を「文字列」に変更して文字列として入力する

 入力する数値がたくさんある場合に毎回「’」を付けるのは面倒です。そこで、2番目に紹介するテクニックは、セルの書式を「文字列」に設定してから、数値を入力する方法です。

 あらかじめ会員番号を入力するセルを範囲選択しておき、リボンの[数値]グループの右下にある小さな矢印のアイコンをクリック(①)し、[セルの書式設定]ダイアログボックスを開きます。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスの[表示形式]タブ(②)から[文字列](③)を選択し、[OK](④)をクリックします。

 この設定を行っておいたセルは、入力する内容がすべて文字列として扱われるようになります。そのため、冒頭に「’」を付けるテクニックと同様に、セルに入力した数値の冒頭の0が勝手に不要と判断されなくなります。

 ただし、これらテクニック1とテクニック2を使った場合は、入力したデータが文字列となるため、数値として扱われなくなり、数式を使った計算に使えなくなります。

 入力した数値を計算に使う場合は、次に紹介するテクニック3を利用しましょう。

テクニック3 セルの書式で桁数を指定して数値として入力する

 3つ目のテクニックは、入力する数値の桁数をあらかじめセルの書式で設定しておく方法です。

 先ほど紹介したテクニック2を参考に[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示しておきます。

 テクニック3では[セルの書式設定]ダイアログボックスの[表示形式](①)タブで[ユーザー定義](②)を選択します。

 [ユーザー定義](②)を選択すると、セルの書式が[種類]という項目に一覧で表示されます。数値が6桁の場合は[種類]の入力欄に「00000#」と入力し(③)、[OK](④)をクリックしましょう。

 「00000#」の書式は、「常に6桁の数字を表示し、6桁に満たない数字が入力された場合は冒頭に0を追加して表示する」という意味です。この書式が設定されたセルに「1」と入力して確定すると、「000001」と自動的に6桁の数値に補完されて表示されます。

 「15」や「312」など、2桁以上の数字を入力した場合は、0の数が調整されて「000015」「000312」のように、必ず合計で6桁の数字が表示されます。

 桁があらかじめ決まっている数値を入力するときに、とても便利なテクニックです。

0から始まる数値入力で困らなくなる!

 これまで0から始まる数値をセルに入力する際に悪戦苦闘していた人も、今回紹介したテクニックを利用すれば困ったことにならずに入力できるようになるはずです。

 これらのテクニックはExcelの機能のなかでは基本的なことですが、知らないと意外と時間を取られてしまいます。この記事を読んだことをきっかけに、ぜひ0から始まる数字の入力方法とセルの書式の基本を覚えてください。