いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】個人的なコメント入りのブックを外部へ送ってしまった!エクセルで不要な情報の有無を自動チェックするテク

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

見られたくない情報をうっかり送信してしまった!を防止しよう

 Excelで作成した資料を上司や顧客に送信する際に、気をつけていることはありますか。誤脱字はないか、計算結果が間違っていないかなど、入念にチェックしてから送信している人も多いと思います。

 不特定多数の相手や、外部の人にブックを送る場合、ブックに含まれている個人情報を削除してから相手に送りたいこともあるのではないでしょうか。また、編集中にメモしておいたコメントなどは、必ず削除してから送信したいですよね。

 Excelには、このような項目を自動でチェックして削除してくれる「ドキュメント検査」という機能があります。今回は、この「ドキュメント検査」を使ってExcelのブックをチェックする方法を解説します。

納品前にチェックすべき項目は?

 読者のみなさんは、それぞれ自分の業務に合わせたチェックを行っていると思いますが、今回は、次の2点を納品前のチェックとして行っている業務(従業員名簿の作成業務)の例を考えてみましょう。

 まず1つ目は、Excelのブックに含まれている個人情報の削除です。Excelのブックには、作成者や更新者などの個人情報(①)が記録されていますが、不特定多数の相手や、外部の人にブックを送る場合、これらの情報を送信相手に知られたくないこともありますよね。

 このような場合は、個人情報を削除しておく必要があります。

 2つ目は、ブック内に入力したコメントの削除です。資料の作成中に、自分用のメモを残すなどして作業することがあると思います。

 ご存じの人も多いと思いますが、コメントが入力されている場合には、セルの右上に赤い三角形(②)が表示されます。

 対象のセルをクリックするとコメントは表示されます(③)が、選択していない状態では、この赤い三角形は見落とすおそれがあるので要注意です。

 ([すべてのコメントを表示]をクリックしている場合は、常にコメントが表示されます。)

 コメントを残したまま顧客や上司に送ってしまうと、未完成の資料だと思われ、怒られてしまうかもしれません。また、自分だけが見ることを前提に書いていたメモが知れ渡ったりすると、これもまた、相手を不快にさせたりトラブルを引き起こしたりする可能性もあります。ブック内に入力したコメントは、取り除いてから送信するのがよいでしょう。

 今回は、この2項目を「ドキュメント検査」機能でチェックしてみます。

「ドキュメント検査」をしてみよう

 従業員名簿を「ドキュメント検査」機能でチェックする例を考えてみましょう。この名簿には、前項で解説したように、ブックの作成者の情報と、編集時に記したコメントが含まれています。保存しているブックを開き、[ファイル]タブ(①)をクリックします。

 [情報]画面が表示されるので、[問題のチェック](②)→[ドキュメント検査](③)をクリックします。

 [ドキュメントの検査]ダイアログボックスが表示されます。初めからすべての項目にチェックが入っている(④)ので、ここではこのまま[検査](⑤)をクリックします。

 ドキュメントのチェックが開始され、チェックが終わると結果が表示されます。このドキュメントには、[コメントと注釈](⑥)と[ドキュメントのプロパティと個人情報](⑦)が含まれていることがわかりました。

 ここでは、これらの情報はすべて削除したいので、[すべて削除](⑧)を2カ所クリックします。

 すべてのアイテムが削除されたという旨のメッセージが表示されるので(⑨)、[閉じる](⑩)をクリックして終了します。

 では、「コメントと注釈」と「ドキュメントのプロパティと個人情報」が削除されたか確認してみましょう。

 次に表示される[情報]画面を見てみると、個人情報は削除されています(⑪)。

 [←](⑫)ボタンを押してワークシートに戻ります。

 セルH7に入力されていたコメントも削除されました(⑬)。

 この機能を使う上で、一点注意していただきたいことがあります。ドキュメント検査の結果、削除した内容は元に戻せないということです。このチェックを行う前に、必ず予備のブックを保存しておくようにしてください。

さまざまなチェック項目を検査できる

 「ドキュメント検査」機能では、今回取り上げたチェック項目以外にも、さまざまな項目をチェックできるので、ぜひ試してみてください。

 例えば、非表示にしたまま忘れている列や行がないかどうかを確認することができます。大きな表を扱う時、自分の作業に必要のない行や列を非表示にしていることがあると思います。非表示にしたまま忘れてブックを送信してしまった場合、ブックを受け取った相手は、非表示のデータも再表示できてしまいます。非表示の列や行に機密情報が入力されていたのに、そのことを忘れてそのまま送ってしまった!などということになると大変です。ブックを送信する前に、非表示にしてある列や行がないかどうかチェックしておくと安心ですよね。

ドキュメント検査を活用してうっかりミスをなくそう

 今回は、「ドキュメント検査」の機能を使って、上司や顧客に納品する前に、Excelのブックをチェックする方法を解説しました。

 この機能を活用して、うっかりミスによるトラブルは未然に防いでくださいね。