いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】セル内にグラフを表示できる!表だけでデータを視覚的に魅せる「スパークライン」活用テク

データの傾向や特徴をぱっと把握したい!

 普段の業務で、店舗やイベント会場に訪問した人の数や、商品やサービスの売上金額を記録し、集計しているという人は少なくないのではないでしょうか。せっかく記録したデータを、うまく活用できていますか。

 Excelには、Excel 2010から新しく追加された「スパークライン」という機能があります。スパークラインを使うと、1つのセルの中に小さなグラフを作成できます。表の項目ごと(行や列ごと)にデータの傾向や特徴をコンパクトに表現できるので、「細かい数値よりは、大まかな特徴を知りたい」というような時に、ぴったりな機能です。

まずは「スパークライン」を作ってみよう

 次の「Officeフェア 来場者記録」の例を使って、スパークラインを作成してみましょう。この業務では、毎日「Officeフェア」の来場者数を記録していましたが、数値の大小がわかりにくいです。そこで、ぱっと見ただけで、来場者数を比較できるように、この表のI列(①)にスパークラインを作成してみます。

 スパークラインを表示したいセル範囲(I4:I7)(②)を選択して、[挿入]タブ(③)の[縦棒](④)をクリックします。スパークラインには「折れ線」「縦棒」「勝敗」の種類がありますが、数値の大小を比較したい場合は「縦棒」を選びましょう。

 [スパークラインの作成]ダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックスの[データ範囲]欄に、スパークラインのもとになるデータ範囲を入力するのですが、このままセル範囲B4:H7をドラッグ(⑤)すると、自動的に[データ範囲]欄にドラッグしたセル範囲(⑥)が入力されます。

 [データ範囲]欄にセル範囲を指定できたら、[OK](⑦)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 すると、I列のそれぞれのセル内に縦棒のミニグラフが作成されます(⑧)。

縦軸の設定を調整する

 実は、前項で作成したスパークラインには、少し問題があります。作成したての初期状態では、スパークラインごとに縦軸の範囲が自動調整されるように設定されているからです。よって、各行のデータの最大値と最小値が縦軸の最大値と最大値になるように縦棒グラフが調整されてしまいます。

 どういうことか、具体的に説明しましょう。例えば、「Officeフェア 来場者記録」の4行目「初めてのExcel」の最大値はセルG4の「68」(①)で、7行目「初めてのWord」の最大値はセルG7の「99」(②)ですよね。この両者は、値が異なるのに、どちらも棒グラフの棒がセルの高さいっぱいに表示されているため(③)、グラフだけを見ていると、同じ値のように見えてしまいます。

 この状態では、スパークライン同士で値の大小を比較することができません。そこで、表全体で縦軸の範囲をそろえる必要があります。そうすれば、すべてのスパークラインで、棒の大きさをもとに値を比較できるようになります。

 スパークラインが表示されたセル範囲(I4:I7)(④)を選択して、[スパークライン]タブ(⑤)→[軸](⑥)をクリックします。表示されるメニューで、[縦軸の最小値のオプション]欄にある[すべてのスパークラインで同じ値](⑦)をクリックします。これで、すべてのスパークラインで最小値がそろいます。

 同様にして、[スパークライン]タブ(⑧)→[軸](⑨)をクリックして表示されるメニューで、[縦軸の最大値のオプション]欄にある[すべてのスパークラインで同じ値](⑩)をクリックします。これで、すべてのスパークラインで最大値がそろいます。

 最大値と最小値がそろったので、スパークライン同士でデータを比較できるようになりましたね(⑪)。

スパークラインの最大値と最小値の棒の色を変えてみよう

 スパークラインによって数値の大小がぱっと見ただけで比較できるようになりましたが、最大値と最小値の棒の色を変えると、さらに特徴がわかりやすくなります。スパークラインでは、クリック操作だけで、スパークラインの最大値と最小値の棒の色を簡単に変更することができます。

 スパークラインが表示されたセル範囲(I4:I7)(①)を選択して、[スパークライン]タブ(②)→[マーカーの色](③)→[頂点(山)](④)をクリックします。表示されるメニューで、任意の色(ここでは黄緑色)(⑤)を選択します。これで、最大値の棒の色が黄緑色に変更されます。

 同様にして、[スパークライン]タブ(⑥)→[マーカーの色](⑦)→[頂点(谷)](⑧)をクリックして表示されるメニューで、任意の色(ここでは赤色)(⑨)を選択します。これで、最小値の棒の色が赤色に変更されます。

 それぞれのスパークラインで、最大値と最小値に色を付けることができました(⑩)。

 表内に並んだ数値を眺めているよりも、このようなミニグラフを作成したほうが、データの特徴や傾向がつかみやすいと思いませんか。

 なお今回は、値の最大値と最小値に注目するために縦棒スパークラインを選びましたが、時間の推移やデータの変化に注目したい場合は、折れ線スパークラインを選ぶといいでしょう。

簡単な操作でセル内にミニグラフを作成できる「スパークライン」機能!

 今回は、Excelで1つのセルの中に小さなグラフを作成できる「スパークライン」機能について解説しました。簡単な操作でデータを視覚化できるので、資料に説得力が増しますし、並んだ数字を見ているよりも、簡単にデータの特徴や傾向を把握できます。ぜひ、一度試してみてくださいね。