#モリトーク

第54話

Windows XPを使い倒す

 前回の第53話でも述べたように、Windows XPのサポート期限が1年を切っている。マイクロソフト社の発表によれば、日本におけるWindows XPのインストール比率は、個人所有のWindowsマシンで約28%にも及ぶとのこと。これだけの数のユーザーが今までWindows XPを使い続けているということは、使用中のWindows XPマシンにハードとソフトの両面で大きな不満を感じてない人が多いのだろう。

 それなら、まだ残っている1年という猶予期間を最大限に活用し、乗り換え先を吟味したいところだ。次期Windowsの登場も噂されているので、現在使用しているWindows XPマシンを使い倒した上で、乗り換え先も損がないように選びたい。それが、ユーザー・消費者の心理というものだろう。とはいえ、猶予期限が決まっている以上、これまでのようにWindows XPを使い続けるわけにもいかない。いつでもWindows XPの使用を止められるように、いつでも乗り換え先へ移行できるように準備しておく必要がある。

「Google Chorome」のデータ同期機能

 その準備とは、データのバックアップだ。そのなかでもとくに重要なデータが、近年パソコンの主な作業場となっているWebブラウザーのユーザーデータであろう。前回の第53話でもオススメしたように、Webブラウザーのユーザーデータをバックアップするなら、Webブラウザーのデータ同期機能がベストな手段だ。使用頻度の高いデータは更新頻度も高く、そのバックアップは一度で済むことでもないので、自動化しておくほうがよい。

 文書ファイルや画像ファイルなど、そのほかの制作物については、オンラインストレージの同期機能を活用し、そのバックアップを自動化しておくのも手だ。しかし、無料利用時では最大容量が限られる上、重要なファイルをオンライン上に保存するのは、セキュリティの観点からあまりオススメできない。ちなみに、Windows 8に統合されている「SkyDrive」は、そのクライアントソフトがWindows XPに対応していない。やはり、外付けハードディスクへのバックアップが望ましいだろう。Mac OSへの乗り換えも選択肢に入れている場合は、フォーマットの問題があるため、ネットワーク対応ハードディスクを導入しておくとなおよい。

“差分バックアップ”が得意な「BunBackup」

 そこで、バックアップソフトの定番である「BunBackup」をオススメしたい。同ソフト最大の特長は、バックアップ対象に指定した複数のフォルダをチェックし、新規に作成されたファイルと、更新されたファイルのみを外付けハードディスクなどへ高速にバックアップしてくれることだ。いわゆる“差分バックアップ”と呼ばれる処理になる。標準設定のままでも動作は十分に高速だが、“高速ファイルチェック”機能をONにするとファイル情報がキャッシュされ、バックアップ処理がさらに高速化する。

 しかも、一定間隔または指定時刻での自動バックアップにも対応しているので、「BunBackup」は今回のテーマにうってつけのオンラインソフトだと言える。同ソフトでバックアップしたファイルのリストアには、「BunRestore」という別のソフトを使用する仕組みになっており、どちらのソフトもWindows XPはもちろん、Windows 7とWindows 8の両方に対応している。もちろん、リストア作業は手動でも問題ないので、「BunRestore」が必須というわけではない。

 このようにデータのバックアップを万全に準備しておけば、残り1年となったWindows XPライフを安心して堪能できるはずだ。そのほかに準備しておくことを挙げるとすれば、オンラインソフトによっては、その設定内容をエクスポートする機能を搭載している場合があるので、移行後に設定内容を復元できるようにバックアップしておくとよいだろう。また、Windows XP上で使用していたオンラインソフトがWindows 7やWindows 8では動かないことも少なくないので、現在常用しているオンラインソフトの対応状況を確認しておこう。

(中井 浩晶)