ニコニコ自作ゲームPick Up
第9回
モードが変われば別ゲームに!? 上下左右から敵が襲い来るSTG「VBS-X」
マウスを生かした操作感とゲームバランスが秀逸な個性派
(2013/10/3 10:27)
『ニコニコ自作ゲームPick Up』では、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス2”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していく。今回は全方位型シューティングゲーム「ヴァンパイア・ヴラッディ・スターX(略称VBS-X)」を紹介する。
前後左右から敵が飛来し体当たり攻撃!
「VBS-X」は、自機を中心として上下左右の全方位から敵が襲ってくる全方位STG。操作は基本的にマウスで行う。
静止画面だけ見るとワンアイデアのゲームに思えるかもしれないが、条件を満たすと解放される“モード”次第で、別のゲームを遊んでいるのかと思うほどステージの攻略法が変わってしまう。スコアを競うオンラインランキングや、スコアを消費して自機を強化するシステムもあり、短時間でガッツリ遊べるSTGだ。
なお、作者としてクレジットされている“アンディーメンテ”は、老舗同人ゲームサークルの名前。主催は小説家・音楽家としても活躍する泉和良氏で、ニコニコ動画ではボカロPの“ジェバンニP”としても有名だ。同サークルはこれまで100以上の作品をリリースしてきたため、その名に覚えのある人も多いだろう。
マウスを生かした快適操作でハイスコアを狙え
「VBS-X」では、プレイ開始時にモードの選択を行う。ゲーム開始時に選べる“EASYモード”では自機の位置が画面中央に固定されており、マウス操作で全方位に狙いをつけて敵を倒してゆく。マウスの左ボタンを押し続けるとショットが連続で発射され、右クリックで“バリア”を張れる。敵を倒すことで、自機のレベルが上がっていく。
“EASYモード”の敵はショットを打たないため、体当たり攻撃を仕掛けてくる。自機に当たる前に撃ち落せばいいのだが、どうしても間に合わないときは“バリア”で防ごう。また、敵の群れをまとめて倒すことでチェインボーナスが発生して効率よく自機のレベルが上がり、レベルが上がるほどより高いスコアが得られるようになる。
ステージ最後に登場するボスを倒し無事にステージをクリアすると、SHOPでのお買い物タイム。たまったスコアで自機のパワーアップアイテムを購入し、最終ステージまでを戦ってゆく。
最初はスコアが足りず購入できないアイテムもあるが、最終ステージまで5回程度買い物の機会があるので、どのタイミングで何のアイテムを買うかが重要になってくる。ちなみに、筆者のオススメはバリア関係。バリア必須の局面は結構多いので、難局攻略の手助けをしてくれるはずだ。
ステージクリア時のスコアをランキングに登録し、順位を競うことができるのも面白い点。SHOPで買い物しすぎるとスコアが低くなってしまい、かといって自機のパワーアップを怠るとクリアが難しくなる。
同様にバランス感覚が重要になってくるのがバリアの使い方。バリアの使用回数は無制限だが、使うごとに自機のレベルが下がってしまう。そのため、結果的にはスコアが低くなってしまうのだ。
ゲーム中、どうしてもバリアを使わなければクリアできない局面や、バリアでゴリ押しする方が楽なシーンも存在する。プレイヤーはいろいろな部分でバランスを取っていく必要があるのだ。
同じ敵なのにモード開放で攻略法が変わる!
このゲーム最大のポイントが、多彩なゲームモード。各モードのプレイ回数に応じて解放されるようで、最新のバージョン3.0では、筆者は7つのモードがあることを確認している。
“EASYモード”の次に遊べる“HARDモード”では、自機の攻撃方法が大きく変化する。それが“ロックオンシステム”。通常ショットが敵に当たるとその敵が四角(◇)で次々と囲われてゆく。ショット発射中に押し続けていたマウスの左ボタンを離すと、ロックオンした敵を雷撃のような特殊攻撃で一斉に攻撃できるという仕組みだ。
左ボタンを離した時点で自機の発射していた通常ショットはすべて消えてしまうため、こまめに攻撃しすぎてもダメ。逆にロックオンしてばかりでも、敵が近づき体当たり攻撃を受けてしまう。ダラダラと遊ばせてはくれない仕掛けで、緊張感のあるプレイを楽しめるのだ。
さらに進んだモードでは、ついに自機が移動可能に! ところが敵もショット攻撃を仕掛けてくるため、攻撃をかいくぐったり、ショットで敵弾を破壊しながらのプレイとなってくる。さらにはショットによる相殺不可の弾幕を撃ってくるモードもあり、ゲームは一変して弾幕シューティングの様相を呈してくる。
モードが変わるだけで、出現する敵は同じでもプレイスタイルが一変するのがこのゲーム最大の特徴。ゲーム難易度が上がれば上がるほど、美麗になっていくグラフィックも大きな魅力だ。自機が丸(●)、敵が四角(■)といった記号の羅列であっさりしたグラフィックのはずが、“ロックオンシステム”や弾幕も相まって美しく迫力のある画面に変化する。
惜しむらくは、この面白さ、美しさは、遊んでみないと伝わりにくいであろうところ。紹介動画でその片鱗が見られるが、この動画では登場しないモードもかなりの面白さだ。1プレイが10分程度と短く、スタイリッシュなBGMと相まって、気分よくスッキリ遊べる「VBS-X」。ぜひ一度プレイしてみてほしい。
- 【著作権者】
- アンディーメンテ
- 【対応環境】
- Windows XP以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
ニコニコ自作ゲームフェス2とは
“ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。2回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス2”は、2013年6月13日(木)から10月6日(日)の間で作品募集を行ない、11月4日(月)に“ゲームマーケット2013秋”の会場にて授賞式を実施する。
応募対象は2013年6月1日時点で未発表のオリジナルゲームで、誰でも自由に遊べるように配布してあり、無料でもそれが体験できるもの。ニコニコ動画にゲームの紹介動画を投稿することで応募可能。詳細は下記公式サイトを参照してほしい。
ニコニコ自作ゲームフェス 今後のイベント出展予定
- 10月6日(日):日本デジタルゲーム学会 ゲームメディア研究会 第5回研究会「動画共有サイトとゲーマーコミュニティの可能性」
- 11月4日(月):ゲームマーケット2013秋
- 11月9日(土):東京ロケテゲームショウ2013
- 11月17日(日):デジゲー博