スマホで手軽に映画の世界を体験できる「Legendary VR」

　PC向けのOculus RiftやPS4向けのProject Morpheusのように本格的なVR体験を可能にするデバイスは、そのクオリティはかなり高くなってきているものの、価格的にはまだまだ簡単に手を伸ばせるものではない、と思っている人も多いのではないかと思う。

　それでも、VRの体験が気になる……そういう人向けに第22回で紹介したハコスコやGoogle Cardboardといった、手持ちのスマホで手軽にVR体験ができるデバイスが登場している。いずれも価格は1,000円程度と購入しやすい。

　そして、体験できるコンテンツも、個人が360度撮影した映像から、映画のプロモーション、ナイキやコカコーラのPR、VRゲームなど予算をかけた本格的なものが増えてきている。

　今回は、スマホVRで体験できる360度体験「Legendary VR」を紹介しよう。

あのLegend Picturesの映画の世界へ

　今回紹介する「Legendary VR」は、ダークナイト、パシフィック・リムなどの映画を制作したアメリカの映画制作会社Legend Picturesが配信しているスマホ向けアプリだ。

　アプリには、同社が手がける3本の映画の世界観を体験できる360度映像が3つ収められている。1つ目は海外で大人気のPCゲーム「Warcraft」を映画化した作品（2016年夏公開予定、題名未定）、2つ目は2013年に1作目が公開され、2作目が制作中の『パシフィック・リム』、そして3つ目は、こちらも制作中の『Crimson Peak』（2015年秋公開予定、邦題未定）のホラーな世界観を再現した360度体験だ。

メニュー画面で体験するコンテンツを選択できる

Google Cardboardなどの二眼のVRデバイスを持っている場合は、VRモードでの体験ができる。立体視により、3Dで奥行き・立体感のある迫力満点の体験が可能だ

　それぞれどういった体験ができるのか紹介しよう。

　「WARCRAFT: THE SKIES OF AZEROTH」は、Warcraftのファンタジーな世界を、グリフォンに乗りながら飛ぶという内容。中世ファンタジーの街並みや高くそびえる山々などの眺めは本当に空を飛びながら見ているかのよう。手前を見ると、グリフォンが鳴いている様子や、大きな翼をバサバサとはばたく様子がわかる。

　遠くの景色まで見事に眺めることができるので、ぜひVRで3D映像を体験してもらうと、その奥行きから、本当にこの世界にいるかのように感じられる。とくにオススメのコンテンツだ。

遠くまで眺められる

手を伸ばしたらモフモフできてしまいそうなグリフォン

目の前を横切る鳥型の怪物も迫力満点だ

　「PACIFIC RIM: JAEGER PILOT」は、『パシフィック・リム』の世界観の中で、エイリアンと闘うための人型ロボット“イェーガー”の内部に乗るパイロットになり、敵の襲撃に対抗するというもの。イェーガーを起動するシーンでテンションが上がる。そして同乗している仲間が話しかけてきながら、怪物との戦闘に突入するので否が応でも『ヒャッハー』な気分になってくる。彼らの運命は如何に。

イエーガー起動シーン

話しかけてくる仲間

怪物を撃退したように見えるが……

　「BEWARE CRIMSON PEAK」は、『パシフィック・リム』の監督の最新作『Crimson Peak』（邦題未定）の舞台である洋館をテーマにしたホラーコンテンツ。不気味な洋館に入り、廊下を進んでいくというホラーでありがちな内容だ。ネタバレは避けたいので詳細は言及しないが、このコンテンツはぜひイヤホン、ヘッドホンをつけて楽しんでほしい。360度の映像を見ながら、どこからともなく聞こえてくる音に戦慄することだろう。

不気味な洋館の廊下

窓の方を覗き込むと……

最も没入感の高いオススメの体験はYouTubeでVRモード

　また、このアプリに収録されている各コンテンツは、YouTubeにも360度動画としてアップロードされており、こちらでも体験可能だ。

　筆者が体験したところ、YouTubeにアップロードされているコンテンツの方が高画質となっている。回線に余裕がある場合にはYouTubeでの視聴をお勧めする。なおYouTubeで視聴する際は、Android端末でしかVRモードでの視聴ができないので注意が必要だ。二眼で体験した方が体験としては世界に入っている感覚（没入感）が深くなる。そのため、筆者のオススメは、Android端末でGoogle Cardboardやそれに準ずる二眼のVRデバイスを使い、YouTubeで体験することだ。

アプリ内の映像

YouTube版の映像