どれ使う?プログラミング教育ツール

おサルをバナナまで導いてプログラミングの基礎を学習しよう!「CodeMonkey」

 2020年度からついに小学校でプログラミング教育が実施されます。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。

 「CodeMonkey(コードモンキー)」は、Webブラウザーで利用できるプログラミング学習ゲームです。基本の“コードの冒険”は、親しみやすいおサルのキャラクターがゴリラに奪われたバナナを取り返すというストーリー設定で、おサルをバナナのある位置まで移動するプログラムを完成させます。推奨年齢は9才以上で、次第にレベルアップする問題に取り組んでいるうちに、自然と簡単なプログラムの書き方がわかるようにできています。

「CodeMonkey」のトップ画面。[無料体験開始]ボタンから30ステージまで利用できる

コードを直接扱うのが特徴的

 子ども向けのプログラミングツールは、指示ブロックをドラッグ&ドロップで操作してプログラムを作るタイプのものが多いのですが、この「CodeMonkey」はあえてテキストで書かれたコードを見せ、コードを直接触りプログラムを組んでいくのが特徴です。ちなみに、プログラミング言語は「CoffeeScript」が採用されています。

 “コードを直接扱うなんて子どもには難しいのでは?”と不安になるかもしれませんが、1問ずつの課題はシンプルでなのでその心配はありません。例えば最初の問題は、まっすぐ15の距離を進むための“step 15”という1行だけ。そして、いきなりコードを入力するわけではなく、見本を動かす、コード中の数字を変える、等のステップ・バイ・ステップで誘導してくれるので理解しやすくなっています。また、画面上の“step”と書かれたボタンを押せば“step”と入力され、なるべくキーボードでのタイピング操作が少なくて済むように設計されています。

「CodeMonkey」の操作画面。右側がコードの記述エリアになっている。最初は既存のコードの数字を書き換えるだけ。キーボードのビジュアルで入力を促してくれているところ。[RUN!]ボタンで実行すると左側のエリアのおサルがプログラム通りに動く

 距離は、左上の定規ツールで測れるようになっています。同種の他の子ども向けプログラミングツールの場合、あらかじめマス目が描かれていて“何マス進める”と考えるものが圧倒的に多いのですが、「CodeMonkey」の場合は、自分で計測して数値を得るというのも特徴的です。

定規で距離を測る。この場合プログラムを“step 20”とすればバナナが取れて成功。コードは下の[step]ボタンを押すだけで“step”と記述される

クリック中心だが最低限のキーボード操作は身につけよう

 ただし、コードを直接扱うので、半角スペースが無かったり全角数字を書いたりするとプログラムは動きません。日本語が母国語の場合、全角・半角の違いや切り替え方がわからないで戸惑う子どもが圧倒的に多いので、そこは基本的なキーボード操作方法として最初に失敗した時に教えてあげる方がいいでしょう。

コードのミスがあると、解決になりそうなヒントを示してくれる

 なお、[step]等のボタンはコード入力のための補助手段なので、直接コードをキーボードでタイプすることもできます。最初はよく意味がわからずにボタンを連打してコードをたくさん入力してしまうということも起きがちなので、カーソル位置の移動や、不要な行を選択して削除する方法など、マウスとキーボードによるテキスト情報の操作がわかっていると安心です。

 また、子どもは英語を読めないので、“step”・“turn”・“left”・“right”等の文字列がわからないから不安になるかもしれませんが、コード入力用ボタンにはアイコンも付いているし、選択時にヒントが表示されるので参考にできます。小さいうちは英語として理解するのではなく、単語のまとまりで記号だと捉えるようにアドバイスすればいいでしょう。

次第にステップアップして繰り返しの概念も

 問題は少しずつレベルアップしていき、おサルだけでなくお手伝いのカメも動かしたり、後半では同じことを繰り返すループの概念も出てきます。いつの間にかプログラミングの概念が増えているという感覚で、違和感なくレベルアップしていけるようにできています。

次第にプログラムの要素は増える。この場合、カメに乗ってカメを動かしバナナを取りに行く
繰り返しの概念など新しい発想が出てくるときは、適宜ヒントで教えてくれる

 “コードの冒険”の無料体験では、Part1の30ステージ目まで利用できますが、年間6,480円の有料版にはPart1~Part3に加えてスキルモードがあり、全420ステージが用意されています。

 なお、「CodeMonkey」の“コードの冒険”は、プログラミング学習ゲームという位置付けなので、自由にプログラムを組んでアニメーションやゲームなどを作るツールではありません。ただし、別に年間6,480円の“ゲームビルダー”コースがあり、こちらはゲームの作り方を学習したあとにオリジナルゲームを作るステップがが用意されているので、“コードの冒険”をマスターしたら挑戦してみると面白いでしょう。