どれ使う?プログラミング教育ツール

文字が読めない年齢でも楽しめるプログラミング学習ツール「コードモンキーJr.」 ~矢印アイコンだけで操作できるCodeMonkeyのジュニア版

 2020年度からついに小学校でプログラミング教育が実施されます。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。

 「コードモンキーJr.」は、この連載でも紹介した「CodeMonkey」のジュニア版です。昨年12月に日本語版が公開されました。「CodeMonkey」は楽しく簡単なUIながらもテキストコードを扱うので9才以上が対象ですが、この「コードモンキーJr.」は、4才から6才が対象です。矢印アイコンをクリックやドラッグ&ドロップの操作で並べるだけでプログラミングできて、小さなお子さんが気軽に楽しむことができます。Webブラウザー版、iPhone、iPadのアプリ、Androidのアプリも提供されていて便利です。この記事はWeb版を使ってご紹介します。

「コードモンキーJr.」のトップページ。Webブラウザー版はすぐに試すことができる

バナナを集めて宝箱を取るのがミッション

 「コードモンキーJr.」は、かわいらしいサルのモンタが宝箱を取れるように動きをプログラムするのがミッションです。バナナと宝箱両方出てくる問題では、バナナを集めてから宝箱を取ると点数がアップします。ひとつ目の問題はとても簡単で、右向きの矢印をひとつセットすれば、宝箱を取ることができます。その問題で使うアイコンだけが候補に出てくるので、迷わずにできます。

基本画面。❶のエリアにプログラム用のアイコン候補が並ぶ。❷の部分がプログラミングエリア。ここにアイコンを並べることでプログラミングをする

 矢印アイコンは、クリックするかドラッグするだけで並べられるので操作は簡単です。間違って配置した場合は、もう一度クリックすれば削除できます。これでいいと思ったら、実行ボタンを押すと、サルのモンタが実際に動き出します。宝箱を無事に取れればプログラムは成功で、モンタは大喜びします。

ミッションをクリアして喜んでいるシーン

 問題をクリアした際にもらえる星の数は、プログラムの効率に応じて決まります。例えば上記の問題で右矢印アイコンを2個並べた場合、宝箱を取れるので問題はクリアはできますが、矢印1個分は無駄なので、星は2つしかもらえません。簡単なプログラムでも、無駄のないプログラムを作ることを意識させるしかけになっています。

 また、プログラムの実行中は、サルのモンタの動きに応じて、プログラムがどこを再生中かということが、下向きの矢印で示されます。動きとプログラムの関係が把握しやすく、理解が進みそうです。

プログラムの実行中は実行箇所が下向き矢印で示される

 宝箱が取れないとミッションは失敗ですが、ヒントが表示され、再度チャレンジできます。

失敗してがっくりしているシーン。ヒントが表示される

繰り返しの概念まで少しずつステップアップ

 問題のレベルは、無理がないように本当に少しずつステップアップしていきます。ホーム画面をチェックすると、問題をひとつクリアするごとにコマが進み、ひとつのテーマが終わるとさらに次のテーマにステップアップします。

ホーム画面。問題ひとつごとにコマが進み、テーマごとにステップアップ

 ステップアップしていくと、繰り返しの概念が出てきます。独特の形のアイコンを使って、内側に矢印アイコンを入れてパターンを作ります。

繰り返しを使う問題。1つのブロックだけを繰り返すことから始める。パターンを見つけて繰り返す問題もある

 繰り返しの使い方で特徴的なのは、何回繰り返すかを指定させないことです(記事執筆時点の確認)。未就学児向けの教材として、数字の概念を出さないという判断をしたからなのでしょう。

 各所に、ていねいに未就学児向けの機能を検討したことが感じられます。子供が、頭の中で手順を考えては試すという習慣や、繰り返しのパターンを見つけるという習慣を、遊びながら自然と身につけることができそうです。プログラミングに触れるファーストステップとして、とても手軽で便利ですからぜひ試してみてください。