週末ゲーム

第659回

魔法陣で弾幕を捕まえるシューティング「トラブル☆ウィッチーズ Origin ~アマルガムの娘たち~」

大量の敵弾が画面を覆いつくすお金に変化! 爽快ながら頭も使う作品

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、シューティングゲーム「トラブル☆ウィッチーズ Origin ~アマルガムの娘たち~」をご紹介する。

 本作は2007年にリリースされた「トラブル☆ウィッチーズ ~アマルガムの娘たち~」のリニューアル版。Steamにて配信されており、価格は980円(税込み)。

5人の魔女が戦うファンタジーシューティング

パステルカラーで描かれるファンタジックな横スクロールシューティング

 「トラブル☆ウィッチーズ Origin ~アマルガムの娘たち~」は、魔女たちが戦う横スクロールシューティングゲーム。ある日、強大な力を持つ悪魔“ドラウプニール”を封じた指輪が、大魔女“アマルガム”に盗まれてしまう。アマルガムは指輪を6つに砕いて娘たちに配り、悪魔の力を使って悪事を働かせ始める。対応に困った王は、騒動を鎮めて一味を捕らえたものに望み通りの褒美を取らせると呼びかける。それに応えて、5人の魔女が戦いへと赴く。

 元となった「トラブル☆ウィッチーズ ~アマルガムの娘たち~」は、アーケードやXbox 360への移植も行われた作品。そのため本作にはオリジナルのゲームモードの他に、アーケード版からの逆輸入的リメイクとなる“TROUBLE☆WITCHES AC”モードも用意されている。なおアーケード版やXbox 360版で搭載されていた2人プレイの機能は、本作には搭載されていない。

 本作「トラブル☆ウィッチーズ Origin ~アマルガムの娘たち~」は、全6ステージのステージクリア型のゲームとなっており、各ステージの最後にいるボスを倒せばクリアとなる。最初に5人の魔女の中から1人を選択。魔女によって攻撃範囲や威力が異なる。続いて4段階の難易度を選択する。

 操作は上下左右の移動と、ボタンを押したままで連射になるショット、そして魔法陣と魔法カードという特殊アクションになっている。ショットだけで敵を倒して進むことも可能だが、敵や敵弾の数がとんでもない数になるシーンが多くあり、ショットと回避だけではかなり攻略は困難になる。そこでポイントとなるのが、魔法陣と魔法カードだ。

5人のプレイヤーキャラクターはショットのタイプが異なる。他にボスキャラクターもイラスト付きで登場

魔法陣で敵弾を止めてお金に変える

魔法陣に触れた敵弾は色が赤に変わり、急激に動きが遅くなる
敵を倒すと魔法陣に触れている敵弾がお金に変化

 魔法陣は、自機の周囲に円形のエフェクトとして発生。これに触れた敵弾は動きが急激に遅くなるため、敵弾を回避する隙を作り出せる。魔法陣が発生する範囲はかなり広く、画面の縦幅の8割程度を覆うまでになるため、ほとんどの敵弾を魔法陣で捕まえてしまえる。

 さらに敵を倒した際、その敵が撃った弾が魔法陣の中にあると、敵弾がお金に変化する。ものすごい数の弾をばらまいてくる敵に対して魔法陣を張り、弾を捕まえている間に敵を倒せば、ものすごい量のお金にできるわけだ。お金は敵を倒した時にも出現するが、敵弾をお金に変えることで獲得量を大幅に増やせる。

 出現したお金は自機に触れれば獲得できるが、一瞬でもショットボタンを離すと、その瞬間にフィールドに存在するお金が自動で回収される。得たお金は、フィールドにカボチャ型の気球で時々現れるショップにて使用できる(ショップの詳細については後述)。

 高い防御力を持つ魔法陣だが、制約もある。まず魔法陣はボタンを押した後、再びボタンを押して解除しない限り発動した地点にずっと出続ける。その間は画面左上にあるMPゲージを消費し、MPゲージがなくなると自動的に魔法陣が消えてしまう。魔法陣が消える(あるいは自分で解除する)と、魔法陣で捕まえていた敵弾が再び動き出す。

 例えばボス戦で使うと、ものすごい弾幕を魔法陣で抑え込むことはできるが、ボスを倒せないままMPが切れると、魔法陣に溜め込んだ大量の敵弾が一気に動き出す。そうなると元よりもひどい回避不能な弾幕に襲われることもある。魔法陣で敵弾を止めたら、敵を倒しきるか、安全な位置に避けるかを考えておかねばならない。

 また青い色の敵弾など、一部の敵弾は魔法陣に影響されない。これも特にボスがよく使ってくるのだが、魔法陣で止められる弾の弾幕を仕掛けてくる中で、魔法陣で止まらない弾を混ぜてくる。魔法陣を使っているせいで敵弾が重なって見づらくなっているので、いつも以上に注意が必要になる。

 それともう1つ勘違いしがちなのだが、魔法陣で捕まえている最中の敵弾にも当たり判定は残っている。避けやすくなった敵弾に、自分から接触しに行くことがないようにしたい。

 こういった点に気を付けて魔法陣を使いこなせれば、ものすごい弾幕を魔法陣で受け止めつつ、敵を倒して大量のお金を得ることができる。とても避けられそうにない量の敵弾をさばけるだけでなく、画面を埋め尽くすような大量のお金まで得られるというのが、とても爽快感に溢れている。しかも操作はボタンを1つ押すだけというシンプルさで、遊び始めてすぐ面白さがわかるのも素晴らしい。

大量の弾幕も、魔法陣ですべて受け止められる
敵弾が多ければ多いほど、敵を倒した時のお金の量も増える
魔法陣に触れた敵弾にも当たり判定はある。ボス戦などでは回避も求められる
青い弾など一部の敵弾は魔法陣を無視して動くので注意

スコア稼ぎと攻略の鍵を握る魔法カード

フィールドに時折現れる気球に触れるとショップに入れる
得たお金を使って魔法カードなどを購入

 もう1つの魔法カードは、先述のショップでお金を払って購入できる。魔法カードを使用すると、一定時間だけカードに書かれた特殊攻撃が可能になる。広範囲や後方に飛ぶショット、貫通するレーザー、命中地点で爆発する弾など効果はさまざま。店頭に並んでいるカードから好きなものを選んで購入し、最大3枚までストックできる。

 さらに魔法カードには他にも特殊効果がある。まず使用した瞬間に、自機の近辺にある敵弾が消失する。魔法陣でも回避しきれなかった時の緊急回避として使える。また魔法カードが発動中は、敵の攻撃を受けても1回だけミスにならないで済む。ただし敵の攻撃を受けた時点で魔法カードの持つ特殊ショットの効果は終了する。

 魔法カードによる特殊ショットで敵を倒すと、敵弾が“スターコイン”に変化。スターコインを取るほどに敵を倒した際の得点が高くなる。多数の敵がいる場所でカードを使えば、大量得点を得ることもできる。攻防どちらに使うかがポイントになる。

 ただし、魔法カードは必ずしも有利に働くとは限らない。ストックされた魔法カードは入れ替えが効かず、買った順番に消費される。そのため、真正面の敵を倒したいのに、正面に撃てなくなるタイプの魔法カードを選んでしまうと、逆に危険な状態に陥る可能性もある。次に使用するカードが何かは画面に表示されているので、あらかじめ確認して頭に入れておきたい。

 お金は魔法陣を使ってちゃんと回収していれば、かなりの勢いで貯まっていくので、魔法カードはどんどん使っていくのがいい。なおショップではMPの最大値を上げるアイテムと、残機を1つ追加するアイテムも時々売られている。MPの最大値が上がれば魔法陣をより長時間出せるので、最優先で確保していきたい。残機の追加アイテムは他と比べて非常に高価に設定されているが、本作はコンティニューが無制限なので、ノーコンティニューを目指すならば欲しいアイテムだ。

魔法カードを使うと、通常とは異なるショットが撃てる
ショットのタイプは魔法カードによって大きく異なる
魔法カードを発動すると、敵弾を消すなどの効果があるため緊急回避にも使える
スターコインを集めると敵を倒した際の得点が高くなっていく。スコアアタックでは特に重要

ストーリーモードなども搭載。完成度の高い一作

“ORIGIN STORY MODE”ではボスキャラクターとの掛け合いも見られる

 ゲームモードは本作オリジナルのものとして、“ORIGIN ARCADE MODE”と“ORIGIN STORY MODE”、“ORIGIN CHALLENGE MODE”の3つがある。“ORIGIN ARCADE MODE”はシンプルなステージ攻略型のモード。“ORIGIN STORY MODE”はそれに加えて、プレイヤーキャラクターとボスキャラクターの会話などのシーンが挿入され、物語としても楽しめる。プレイヤーやボスにはかなり濃いキャラクターが多いので、展開される会話も単純に面白い。

 “ORIGIN CHALLENGE MODE”は、2分間または5分間の間にどれだけスコアを稼げるかのタイムアタックモード。出てくる敵を倒すという点では他のモードと変わらないが、ショップもかなり頻繁に登場するので、魔法カードをどんどん使ってスターコインを集め続けるという派手なプレイになる。他のゲームモードと比べても爽快感はより良いのだが、ショップの中にいる間も時間が経過していくので油断ならない。

 最初に紹介した“TROUBLE☆WITCHES AC”モードは、オリジナルモードの画面の縦横比が16:9なのに対し、アーケード版に準拠した4:3になっている。登場キャラクターはオリジナルの5人と同じで、縦横比の違いでプレイ感が異なるといった趣のモードになっている。

 魔法陣の使用はMPの残量を気にしてケチケチ使っていきたくなるが、敵弾を回避すればお金を見逃していることにもなる。ハイスコアを狙うには、いかに効率よく魔法陣を出していくか、どこでどの魔法カードを買って使うか、という戦略が大事になる。特にボス戦では、特定の魔法カードが極めて有効に働くことがある。

 一見、魔法陣による大味なゲームにも見えるのだが、雑なプレイではコンティニューの繰り返しになってしまう。より効率よく敵を倒したり、お金を集めたりといった攻略法を探ることで爽快感もぐっと増す、見た目以上に頭を使うメリハリのあるゲームとなっている。オリジナリティがあり、ビジュアルも美しく、ユニークなキャラクターとストーリーもありで、完成度の高い一作だ。

“ORIGIN CHALLENGE MODE”は2分または5分のタイムアタック。魔法カードをどんどん使ってスコアを稼ぐ
“TROUBLE☆WITCHES AC”モードは画面の縦横比が4:3に変わる
見た目の派手さが目立つが、プレイ感は爽快さだけではない。普通のシューティングゲームとは違う頭の使い方をするのも本作の面白いところだ

ソフトウェア情報

「トラブル☆ウィッチーズ Origin ~アマルガムの娘たち~」
【著作権者】
スタジオシエスタ、(株)ロケットエンジン
【対応OS】
Windows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
ダウンロード販売 980円(税込み)
【バージョン】
1.11(16/11/26)