週末ゲーム

甲殻類対戦アクションゲーム「NEO AQUARIUM -甲殻王-」体験版

エビやカニがレーザーやミサイルで戦う異色の3D対戦ゲーム

(10/04/16)

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、エビやカニが戦う異色の対戦アクションゲーム「NEO AQUARIUM -甲殻王-」を紹介しよう。

タイトル画面

見た目は甲殻類だが戦闘は3Dロボットアクション!?

エビやカニなど甲殻類が1対1で戦うTPSタイプのアクションゲームエビやカニなど甲殻類が1対1で戦うTPSタイプのアクションゲーム

スキルを発動すると巨大な触覚を出すなど甲殻類とは思えないド派手な攻撃を展開スキルを発動すると巨大な触覚を出すなど甲殻類とは思えないド派手な攻撃を展開

 「NEO AQUARIUM -甲殻王-」は、エビやカニといった甲殻類が1対1で戦う3D対戦アクションゲーム。甲殻類で対戦?と疑問に思うところだが、画面構成はカメラを自機の背後に置くTPSタイプで、戦闘のシステムはミサイルあり、レーザーあり、近接戦闘ありとロボット対戦アクションに近い。3Dで描かれた海中で戦う姿はシュールではあるが、近くの生物を味方にしたり、脱皮して破壊された体の部位を再生したりとさまざまな駆け引きが楽しめる。現在は完成前の体験版という段階で、CPUとの対戦モードしか用意されていないが、対人対戦が実装されればかなり熱い対戦が楽しめるのでは、と期待させるクオリティだ。

 原稿執筆時のバージョンにおいてプレイヤーが選択できる甲殻類は、伊勢海老、ズワイガニ、アサヒガニ、イシダタミヤドカリ、フジツボの5種類。どれもリアルに描かれているのが見どころで、ヤドカリなら貝殻が攻撃を防いでくれたり、カニならば別の生物などのオブジェクトを掴み上げられるなど、それぞれ特徴をもっている。操作を覚えるには、機動性と攻撃力に優れる伊勢海老がオススメだ。

 操作は若干複雑となっている。本作はゲームパッドでのプレイにも対応しており操作のカスタマイズも可能なので、戦闘を有利にするためにもできればゲームパッドを用意しておきたい。

 キーボードで操作する場合は、カーソルキーで移動、[Shift]キーで上昇(ジャンプ)、[Ctrl]キーでロックオン切り替えとなっており、掴みが可能な甲殻類ならば[S]キーでオブジェクトを掴んだり離したりできる。また、自機は胴体や足などいくつかの部位で構成されており、敵の攻撃などで部位が壊れることがあるが、[S]キーを長押しすると脱皮して壊れた部位を復活させることが可能だ。

 攻撃系の操作は、[Z]キーが遠距離攻撃で[X]キーが近接攻撃。また、[Z]キーを長押しすると敵を追尾するホーミングショットを発射し、[X]キーを長押しすると必殺技といえる“スキル”を発動する。[Alt]キーでは、周りの生物を味方にできる“支配領域”の展開が可能だ。

 このほか、[Alt]キーと[Z]キーの組み合わせで遠距離攻撃を行う部位を分離、[Alt]キーと[X]キーの組み合わせで近接戦闘に使う部位を分離する。分離した部位は自動的に敵を攻撃してくれるため便利だが、部位を分離すると移動スピードが低下するといったリスクもある。分離した部位は壊れた部位と同様、脱皮で再生が可能だ。

部位の分離は敵を遠隔攻撃できる便利な技だがやりすぎると移動速度が低下する部位の分離は敵を遠隔攻撃できる便利な技だがやりすぎると移動速度が低下する

分離や敵の攻撃で壊れた部位は脱皮で再生可能。甲殻類らしい技だ分離や敵の攻撃で壊れた部位は脱皮で再生可能。甲殻類らしい技だ

 戦闘において重要になるのが、画面左上にある複数のゲージだ。“LIFE”ゲージは体力でゼロになるとゲームオーバー。“POW”ゲージは自動で少しずつ溜まっていき、ゲージの量に応じて攻撃力が上がるが、スキルの発動で消費するほか脱皮するとゼロになってしまう。なお、ホーミングショットなどを撃つと海水が汚染され、自機・敵ともにPOWゲージの増加が遅くなる。水質は画面の中央上部で確認が可能だ。

 また、スキルは“SKILL”ゲージの色が変わるまで[X]キーを押し続けると発動できる仕組み。SKILLゲージはPOWゲージの値までしか溜められず、溜める量によって発動できるスキルが3段階に変化する。スキルの内容は甲殻類によって異なり、たとえばアサヒガニのレベル1スキル“サン オン ザ ホライズン”では地面の下を移動できる。また、イシダタミヤドカリは貝が破壊された場合、レベル1とレベル2のスキルで巻き貝を召還可能といった具合だ。

ホーミングショットは強力だが水質が下がり、POWの回復が遅くなるホーミングショットは強力だが水質が下がり、POWの回復が遅くなる

鳥居をくぐると戦闘スタート。くぐる前に操作に慣れておくのもアリだ鳥居をくぐると戦闘スタート。くぐる前に操作に慣れておくのもアリだ

マップ内の生物を味方につけよう

 基本的には1対1の戦いなので、相手のLIFEをゼロにすれば勝利ではあるが、ゲームシステムは意外と複雑なので、これを把握することが勝利には重要だ。なかでも大切なのが、マップ内にいるクラゲやイソギンチャクなど敵以外の小型生物を味方にできる“支配領域”の利用だ。具体的には[Alt]キーを押している間は自機を中心に球状の領域を展開し、領域に入った生物を味方にできるシステム。味方になった生物は青いマーカーがつき、敵に小さな弾を飛ばしてくれる。うまく増やせば数十もの生物を味方にできる強力なテクニックなのだ。敵も小型生物を仲間に引き込んでくるので、敵から小型生物を奪い返すことも重要といえる。

 もう1つポイントになるのが部位の分離だ。分離で部位がなくなるとキャラクターや分離した部位によってはスピードが低下してしまうこともあるが、一方で敵の攻撃が部位に集中するため、その間に攻撃態勢の立て直しや攻撃に有利な位置への回り込みが行える。その上、分離した部位は自動で攻撃を行ってくれるのも戦略上重要な点だ。

 甲殻類はそれぞれ個性が強く、たとえばフジツボはカーソルキーでは移動できず[Shift]キーを押すたびに増殖しながらジャンプで移動するなど、操作に慣れるまで時間はかかるが難易度を設定できるので安心だ。まずは一番低い難易度でじっくり訓練して、自分好みの甲殻類を見つけてほしい。戦闘はいつスキルを発動するか、どう味方を増やすかなど多くの駆け引きがあり面白い。完成版では使える甲殻類も増えるようなので、今後の展開が楽しみな1本だ。

繁殖により移動するフジツボなど個性豊かな甲殻類がそろっている繁殖により移動するフジツボなど個性豊かな甲殻類がそろっている

ハサミを備えた甲殻類は小型生物などを掴んで移動できる能力をもつハサミを備えた甲殻類は小型生物などを掴んで移動できる能力をもつ

【著作権者】
Nusso 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
0.03e(10/03/18)
【ファイルサイズ】
46.5MB

(芹澤 正芳)