『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、バリケードを駆使して迫る来る敵からお姫様を守るアクションゲーム「まもって騎士（ナイト）」を紹介しよう。

“Xbox360 インディーズゲーム”の体験版がPCで登場

　「まもって騎士」は、主人公を操作して敵を倒したり、敵の侵入を防ぐバリケードを構築してお姫様を守るのが目的のステージクリア型アクションゲーム。画面構成は2D見下ろし型の固定画面で、グラフィックや音楽は80年代のアクションゲームを彷彿とさせる雰囲気をもっている。ゲーム起動時にはゲームのカートリッジ（ロムカセット）をガチャッと挿し込む演出が入るこだわりようだ。波のように押し寄せる敵に姫を触れさせないようにしながらなぎ倒し、すべての敵を倒せばステージクリアとシンプルなルールながら、必殺技や投石機の存在によって多彩な戦術を生み出せる奥が深いゲームとなっている。

　それもそのはずで、本作は「イース」「世界樹の迷宮」などゲーム音楽の作曲家として有名な古代祐三氏が率いるゲーム開発会社エインシャントが手がけたもの。この名前を聞くだけでニヤリとしてしまう30～40代のゲーマーも多いのではないだろうか。もちろん本ゲームの音楽も古代氏が手がけている。

　なお、本作の完成版は家庭用ゲーム機Xbox 360で個人や独立系ゲームデベロッパーがゲームを配信できるサービス“インディーズゲーム”で2010年春に発売予定となっている。価格などは4月中旬の原稿執筆時点では発表されてない。今回紹介するのはPC用に公開されている体験版で、4種類のキャラクターのうち戦士タイプの“ファイター”を操作して3面までプレイできる。

　主な操作方法は、カーソルキーで移動、［Z］キーで攻撃、［X］キーで必殺技、スペースキーでガードとなっている。必殺技の発動にはMPを消費し、MPは時間の経過で徐々に回復する仕組みだ。ファイターの場合は通常攻撃で斧を振り、必殺技では斧を投げる。このとき、キーを長く押すほど斧を遠くに飛ばすことができる。

　主人公が敵に触れるとHPが減り、ゼロになるとミスとなるが一定時間の経過後に何度でも復活できる。ただし、お姫様にもHPが設定されており、敵の侵入によってお姫様がダメージを受けてHPがゼロになるとゲームオーバーだ。

バリケードを設置・強化してお姫様を守ろう！

　ゲームの基本的な進行は、画面外から次々と登場してくる敵をお姫様に到達する前に倒すこと。お姫様の周りにはあらかじめバリケードが築かれているので、そのバリケードの周囲を回りながら敵を倒していくのが効率のいい倒し方といえる。バリケードは敵は侵入できないが、主人公は上に乗ることが可能。かなり敵に攻められないと壊れず、しかもバリケードに主人公を重ねて攻撃キーを押すと修復もできる。バリケードが点滅すると壊れる寸前の印なので、すぐに修復しよう。

　バリケードは［S］キーで新たに設置することができるが、設置には敵を連続して倒したときや強い敵を倒したときにお姫様からもらえる“ラブポイント”が必要だ。このラブポイントは、ステージクリア後に主人公を強化する際にも使用する。そのため、バリケードを設置してステージクリアを確実にするか、ラブポイントを貯めて主人公の強化を優先するか迷うのも楽しいところだ。

　問題はステージの終盤で、必ず大量の敵が攻めてくる。それまでに、ある程度のバリケードを設置して敵の猛攻に備えよう。バリケードは設置した場所でもう一度設置しようとすると、アップグレードを行える。通常のバリケードをアップグレードすると耐久力の高いスーパーバリケードになり、さらにアップグレードすると攻撃力の高い石を飛ばせる投石機になる仕組みだ。バリケードは敵のいる位置には設置できないので、敵が少ないときを狙って設置していくとよい。

　なお、投石機を使うには［A］キーで主人公を乗り込ませる必要があり、乗り込んでいる間はもちろん移動や主人公自身による攻撃はできない。投石機の石は、カーソルキーで落とす位置を指定できる上に攻撃力も非常に高いので、耐久力の高い敵を倒すのに便利ではあるが、連射ができないので大量の敵には対処しにくいのが難点だ。使いどころの見極めが重要といえる。

　このほか、敵によってはワープしたりバリケードを無視して突撃してくるケースもある。お姫様は自分から移動することはないので、この場合はお姫様を押して安全な場所に移動させよう。また、ステージクリア後に行う主人公の強化も重要だ。強化できるのは、HPや攻撃力の上昇、消費MPの低下、HPの自動回復などで、さらに攻撃ボタン連打で回転して周囲の敵をなぎ倒すといった新技も獲得できる。序盤のステージでラブポイントを稼いで、一気に主人公を強化するのもアリだ。

　体験版ではステージ3までとボリューム不足にも感じられるが、難易度が4段階あり、最高難易度に設定するとかなり難しくなる。必殺技やバリケード、お姫様の位置など、さまざまな要素を駆使しないとクリアが不能なほどで、慣れてきたらぜひともチャレンジしてほしい。また、完成版はXbox 360でしかプレイできないのが残念ではあるが、忍者や女戦士、魔法使いなどもプレイヤーとして選ぶことが可能となっている。シンプルな画面構成ながら、奥深さのあるアクションゲームを求めているならオススメの1本だ。