週末ゲーム

闘士育成シミュレーションゲーム「マッドプリンセス ~ディオデラの野望~」

女闘士は自由を勝ち取ることができるか? 迷宮探索で育成し闘技大会でお金を稼げ

(11/11/18)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、戦闘メインのRPG風闘士育成シミュレーションゲーム「マッドプリンセス ~ディオデラの野望~」を紹介しよう。

借金を返済して自由の身になるため、闘技大会でお金を稼ごう

主人公のレラ。借金を完済するために闘技大会を勝ち抜かねばならない主人公のレラ。借金を完済するために闘技大会を勝ち抜かねばならない

 「マッドプリンセス ~ディオデラの野望~」は、剣奴として興行師に買われた若き女闘士“レラ”となり、闘技大会でお金を稼いで借金を返済し自由の身を目指すという育成シミュレーションゲームだ。強くなるため闘技場の地下にある迷宮へ挑むという、ダンジョン探索RPGの要素も備えている。

 レラの行動範囲は、拠点となる“養成所”、市場、酒場などの施設がある“街”、闘技大会が開催される“闘技場”とその地下にある“地下迷宮”。通常はアドベンチャーゲーム風の画面構成で、地下迷宮のみすごろく風のマップとなる。

 本作には日数の概念があり、次々に開催される闘技大会へ参加したり、地下迷宮を探索すると1日が経過する。日数の経過は開催されている闘技大会の期間と関係があり、各大会で優勝するには開催期間終了時に、出場者のなかでランク1位になっていなければならない。ランクは各大会10人程度の出場者のうち最下位からスタートし、挑戦した相手に勝てばランクが入れ替わるほか、倒した相手に応じた賞金や経験値を獲得できる。最高で2ランク上の相手に挑戦可能で、1回の大会参加で最大10戦まで連戦できるので、実力さえあれば1日で1位まで上り詰めることも不可能ではない。そのほか闘技大会を勝ち進むと“人気”が上がっていき、人気が高くないと参加できない大会などもある。

 ただし闘技大会の出場者は手強く、ただ挑戦するだけでは勝てない。そこで地下迷宮で経験を積み、資金やアイテムを稼いでレラを育てる必要がある。地下迷宮は四角いマスが縦横につながった形となっていて、マスには敵や宝箱、罠、ボス敵が配置されているほか、そのマスに到達するまで表示されない隠し宝箱もある。地下迷宮の広さは最大22×10マスとあまり広くない代わりに、行動できる歩数が決められていて、残り歩数がゼロになると養成所に戻されてしまうため効率のいい移動が要求される。

 なお、地下迷宮はボス敵を倒すとクリアとなって次の領域を探索可能になる。さらに、隠し宝箱を含む宝箱を全部取得してボスを倒すと“コンプリート”となり、ボーナスアイテムをもらうことができる。

闘技大会はランキング制。格上に挑んでランクを上げよう闘技大会はランキング制。格上に挑んでランクを上げよう

地下迷宮には宝箱や敵が。水色マスのボスを倒すとクリアだ地下迷宮には宝箱や敵が。水色マスのボスを倒すとクリアだ

 操作はマウスによりコマンドや移動先を選択する方式で、セーブは養成所でのみ可能。戦闘で敗北しても基本的にはゲームオーバーにはならず、1日が経過して養成所から行動再開となる。

戦闘はリアルタイム性の高いコマンド選択型。装備によってコマンドが変化

戦闘では敵の弱点や属性も表示されるので参考に戦闘では敵の弱点や属性も表示されるので参考に

素材を集め、錬成で装備品を強化素材を集め、錬成で装備品を強化

 闘技場や迷宮での戦闘はコマンド選択型だが、時間とともにチャージされていく“行動力”を消費して攻撃や各種行動をする方式でリアルタイム性が高い。コマンドは装備によって変化する仕組みで、装備するアイテムの多くには何らかのコマンドが用意されている。

 たとえば剣であれば“斬撃”、槍は“刺突”といったように攻撃用のコマンドがセットされ、戦闘の基本となる。そのほか防具にも命中率上昇、クリティカル発生率上昇といったスキルがコマンドとしてセットされるものが多数あり、これらを駆使して戦っていくことになる。

 装備品の入手方法は市場や養成所で購入するほか、戦闘勝利時のドロップ、地下迷宮の宝箱から入手、闘技大会の賞品、興行師へ一定額の借金返済時の報奨などさまざま。また、同じくさまざまな方法で手に入る“素材”と装備品を組み合わせて、強い装備品を“錬成”することができる。錬成は必要な素材さえ揃っていれば無料で行うことが可能で、錬成の要となる素材“宝珠のかけら”は序盤から安価で販売されているので、これを入手して装備品を強化していけば戦闘が大幅に楽になる。うまく利用していこう。

 戦いを続ける上での注意点として、闘技大会参加中は1日が終わるまで体力回復ができないことが挙げられる。ランクを早く上げるためには連戦が必須なので、被ダメージを極力減らす戦い方が重要だ。地下迷宮もまた体力回復手段が基本的にはなく、敵との戦闘はもちろん罠の回避や宝箱の解錠に失敗した際にも大きく体力が減るので注意が必要。闘技大会より地下迷宮のほうが難易度は低めでお金やアイテムを稼ぎやすいので、地下迷宮でレラを鍛えて闘技大会に挑む流れでいくといい。

 また、中盤以降には街で“闇試合”が可能となり、ここでかなり強い敵とより高額な報酬をかけて戦うこともできる。一発勝負してみるのもいいだろう。

自由度の高い育成や武器による戦闘スタイルの変化が楽しめる

 本作の攻略の鍵を握る要素はレベルアップとステータスの向上だ。レベルは戦闘で上がるだけでなく、お金を使う、アイテムを集める、逃げる、地下迷宮を歩く、罠を回避する、、街の人からの依頼をこなすなどさまざまな行動でアップする。何をすれば上がるかは養成所のメニューから“ステータス”項目にある“レベル詳細”で確認できるので、ある程度ゲームに慣れたら見ておこう。

ステータス画面。各項目についての細かい解説も見られるステータス画面。各項目についての細かい解説も見られる

酒場で雇えるパートナー。地下迷宮探索のお供に酒場で雇えるパートナー。地下迷宮探索のお供に

 レベルが上がると“成長ポイント”が与えられ、これを腕力、知力といったパラメーターに振り分けることでレラは強くなっていく。パラメーターは16項目あり、振り分け方によって戦闘のスタイルも変わってくる。そのほか、1日が経過するたびに早朝訓練で少しだけパラメーターをアップさせることも可能。

 ゲームがある程度進むと、街の酒場で地下迷宮を一緒に探索してくれるパートナーを雇えるようになる。パートナーは戦闘時にレラの行動と連動して、“支援攻撃”や“防御アップ”、“体力回復”などさまざまなサポートをしてくれる。とくに体力回復は貴重なので、使えるパートナーは重宝するだろう。パートナーを雇うには契約金がかかるほか、ある程度人気とレベルを上げておかねばならない。より強いパートナーは契約に必要なお金や人気も高いので、状況に応じてパートナーを変えていこう。

 実際にレラを育成していくにあたり、重要なのは武器選びだ。武器の種類によって消費する行動力に差があり、素手は50、槍は100、剣は150、斧が250となっている。また、杖や防具で使用可能となる各種の魔法攻撃は、消費行動力に幅があるが全体的に遅めで、さらに属性の相性を考えて使わねばならないので主力とするには工夫が必要だ。

 どんな装備を使うかは自由だが、筆者のお勧めは槍だ。攻撃力は低めだが手数が多く、パートナーのサポートを利用しやすいからだ。速攻で敵を倒すことで被ダメージを抑えられるほか、手数の多さはクリティカルの発生機会増加というメリットもある。

 また、左右の手それぞれに武器を装備することもでき、高い攻撃力を得ることができる。ただし防御効果の高い盾が装備できなくなる上に攻撃力が2倍になるわけではないので、純粋に強いとは言い難い。ある程度戦闘に慣れてから試してみるといいだろう。

 また、本作で強力なスキルに“○○殺し”というものがある。これは敵の属性が○○の部分と対応している場合に、スキルを発動すればレラの体力半分と引き替えに敵を即死させるというものだ。弱い敵に使う必要はないが、属性さえ合えば地下迷宮のボスや闘技大会の1位を瞬殺できてしまう。効果的に利用しよう。

さまざまな条件によりエンディングが分岐、周回要素もあり何度も遊べる一作

イベントが発生。周囲の人間とどう接していくかは自由だイベントが発生。周囲の人間とどう接していくかは自由だ

 さくさく上がっていくレベル、移動場所の少なさ、迷わないダンジョンと、本作は実にコンパクトにまとまっていて無駄がない。まとまったプレイ時間が確保できない人でも、次どこ行くんだっけ?と進行状況を忘れてやる気が下がる、ということが起きないのはうれしいところだ。ダンジョン探索もオンリーワンのレアアイテム探しといった要素はなく、きっちり計画的にレラを育てていくことが主要な楽しみと言えるだろう。

 また、さまざまな条件により変化する数多くのエンディングが用意されているが、複数の条件を満たしていれば好きなエンディングを選んで見られるという親切すぎる設計もユニークだ。お金などを引き継いで新規ゲームを始めることもでき、難易度は5段階用意されているので周回プレイも楽しい。何度も遊べる一作である。

【著作権者】
あとらそふと
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.2.6(11/10/08)

(藤井 宏幸)