週末ゲーム

第513回

80年代アーケード風の悪魔討伐アクションゲーム「Maldita Castilla」

アクションを駆使して難所を乗り越える快感がたまらない!

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、武器とジャンプを駆使して悪魔を討伐していくアクションゲーム「Maldita Castilla」を紹介しよう。

80年代のアーケードゲームへの愛にあふれる1本

王の命令で悪魔討伐の旅に出る横スクロールアクションゲーム
悪魔討伐に出たのは主人公を含め4人。仲間と一緒に戦うステージもある

 「Maldita Castilla」は、恋人を失った若い魔女の嘆きによって悪魔を招いてしまったカスティーリャ王国を舞台にした、2D横スクロール型のアクションゲーム。プレイヤーは、王様によって悪魔討伐を命じられた“ドン・ラミロ”となって、全6ステージのクリアを目指すことになる。

 本作は1985年から1987年のアーケードゲームをモチーフとしており、グラフィックは完全にドットで描かれ、ブラウン管特有の走査線や画面の焼き付きまで再現しているという凝りよう。当時のアーケードゲームでよく使われていたヤマハ製のサウンドチップ“YM2203”をエミュレーションして音楽を作るなど、細部まで徹底してこだわっている。ゲーム内容も難易度が高めの硬派な作り。それだけに、難所を突破したときは気持ちよさと安堵感を味わえる。

 操作方法は、カーソルキーで移動、[Z]キーで攻撃、[X]キーでジャンプと非常にシンプル。攻撃方法は入手するアイテムにより変化するものの、すべてが敵へと投げるものとなっている。ジャンプ中にカーソルキーの下を押しながら攻撃すると足元に武器を投げられるなど、カーソルキーやジャンプと攻撃を組み合わせることで、左右だけではなく、上下にも武器を投げることが可能だ。また、カーソルキーの下でしゃがみとなり、このときに攻撃すれば地面スレスレにいる敵にも武器を当てられる。

 また、各ステージはいくつかのエリアに分かれているのがポイント。敵や敵の攻撃に当たり、画面左上に表示されるハートがゼロになると、エリアの最初まで戻され、残機が1つ減ってしまう。難易度の高いエリアは最初に戻されると精神的なダメージが大きいだけに、なるべく慎重に進めていきたい。なお、残機がゼロになるとゲームオーバーとなるが、何度でもコンティニューして挑戦することができる。

ベストエンディングに辿り着くまでやりこむべし!

ステージの最後にはボスが待ち構える。ボスの体力は画面下のハートで表示
宝箱から出た武器は、時間経過で種類が変化する

 ゲームの進行は、ステージの奥へと進んでいき、中ボス、そして大ボスを倒せばクリアとなる。重要なのは宝箱の存在だ。宝箱には、武器や回復アイテム、得点アイテムなどが入っている。武器は標準では“短剣”だが、弧を描くように飛ぶため攻撃範囲は広いが敵に当てにくい“斧”、射程は狭いがブーメランのように戻ってくるため連続して敵にダメージを与えやすい“シックル”、攻撃範囲、射程ともに広いが飛ぶスピードが遅めの“鉄球”が登場。宝箱から出た武器は、時間経過により短剣→斧→シックル→鉄球→短剣というふうにローテーションで切り替わるので、好みの武器が表示されたタイミングで入手しよう。

 それぞれ使い勝手は異なるが、標準の短剣よりは強力なので、必ず取っておきたい。ただし、同時に持てる武器は1つだけ。別の武器を取ると、その武器に入れ替わってしまうので注意が必要だ。また、ミスをしてやり直しになると標準の短剣に戻ってしまうので、なるべくミスをせずに進みたい。

武器は弧を描いて飛ぶ“斧”や回転して飛ぶ“鉄球”など全部で4種類
武器とは別に攻撃を補助する妖精や扉を開けられる鍵などを1つだけ持てる

 このほか、宝箱からはメインとなる武器とは別に、援護攻撃をしてくれる妖精、敵の攻撃を1回だけ防ぐ盾、扉を開けるための鍵といったアイテムが登場。こちらも、同時にいずれか1つだけを持つことができる。

 このゲームの大きな特徴となっているのが、エンディングが4種類あること。これは入手したアイテムやコンティニューの回数などで決まり、内容は大きく変化する。なかでもエンディングに大きく関わるのが、特定のエリアに配置されている合計5つの“青い宝石”の入手だ。鍵が必要だったり、狭くトラップだらけの通路を抜ける必要があったりと、青い宝石を取るのはどれも大変だが、ベストエンドに到達したいのであれば、がんばって見つけてほしい。このほか、看板を攻撃すると得点アイテムが出現するなど、隠しアイテムが数多く存在しているのも面白いところだ。

看板を攻撃すると得点アイテムが出るなど隠し要素を探すのも楽しい
特定ステージのクリア後は虫を倒してアイテムを入手するボーナスステージが登場

 ちなみに、筆者は初プレイでコンティニュー10回以上、1時間半程度でクリアできた。公式サイトではクリアまでの目安時間は50分となっている。慣れてくれば、40分台でベストエンドに辿り着くのも可能なはずだ。難易度は高めとはいえ、絶望的というほどではない。何度かプレイして、敵が出てくる場所やジャンプのタイミングさえ覚えれば、ノーダメージでエリアを突破できるようになってくるのも楽しいところ。丁寧に作り込んであるだけに、古参のゲーマーはもちろん、若い人にも本作で2Dアクションゲームの良さを知ってもらいたい。そう思わせる1本だ。

ソフトウェア情報

「Maldita Castilla」
【著作権者】
Locomalito
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
-(12/12/12)

(芹澤 正芳)