石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

こんな壊れ方する? ゲームパッドの意外な故障にアナログスティックカバー

壊れたゲームパッドはHORI製「EDGE 301」。とてもコストパフォーマンスの高い製品だ

ゲームパッドの意外な故障

 何年か使っていたゲームパッドが壊れた。ドリフト(アナログスティックの入力が入ったままになる症状)とか、ボタンが反応しないとかではない。もっと物理的に、上の写真のように壊れた。

 壊したのは筆者ではない。見た目はまったく正常だったこのゲームパッドを妻に貸したところ、左アナログスティックの表面が削れたようにダメージを受けた。さらに息子の友達に使わせてあげたら、さらに破損が進んで、アナログスティックの一部が欠けてしまった。

 なにぶん古いコントローラーだったので経年劣化もあったと思うが、筆者が普通に使っていてこうなるとは思えない。長年ゲームを遊んできたが、こんな壊れ方は初めてだ。もしかすると筆者の知らない世界ではよくあることなのかもしれないが。

持ち方に問題があった

 妻にゲームパッドを持ってもらったところ、左手親指を立てるような感じでアナログスティックを操作していた。そのため、爪がアナログスティックの表面を削り取ってしまうようだ。

 2年ほど前に別のゲームパッドを渡していたのだが、そちらも表面が削れてしまっていた。ただ元の素材がよかったのか破損には至っておらず、表面加工の凹凸がなくなる程度で済んでいた。

 持ち方を直してもらおうと思ったが、うまくできないらしい。それに息子の友達にまで持ち方の指導をするのは難しい。

 SwitchやXbox用のコントローラーのように、アナログスティックが左上、十字ボタンが左下の配置の場合、爪を立てる持ち方にならず破損しないようだ。しかし妻は、アナログスティックが平行に並んだPlayStationタイプのゲームパッドで慣れているので、変えたくないという。

PCゲームの実質的標準コントローラー「Xbox ワイヤレス コントローラー」。この配置ならアナログスティックを削らないようだが、好みでないなら仕方ない

 となると、今後もアナログスティックのダメージが続き、短期で破損することになる。機能的には問題なくても、左アナログスティックの表面破損で買い替える必要が出てくる。

 これ以上破損しないために何か対策ができないかと考えたところ、思いついたのがアナログスティックカバーだ。

アナログスティックを保護するカバーで対応

 アナログスティックカバーは、文字通りアナログスティックにかぶせて使うカバー。シリコン製でできているものが多く、滑り止め効果で操作感を改善するという商品だ。中にはとても分厚いカバーもあり、アナログスティックを高くすることで精密な操作を可能にするという商品もある。

 今回の筆者の目的は、ただ表面を保護したいだけなので、高さが変わるものは逆に困る。ごく普通のカバーであればいい。

 調べてみると、大きく分けてSwitchのJoy-Con用のものと、PlayStation/Xbox等のものの2種類がある。Joy-Conのアナログスティックは他に比べて小さめなので、それに合わせたサイズの商品になっているようだ。ただこちらは「破損時の交換用」と書かれている商品もあり、やはり子供が壊してしまうパターンは割と存在するようだ。Joy-Conは高価だし、一体型のSwitch Liteの場合は本体丸ごと買い替えになるので、カバーは重宝しそうだ。

 筆者が今回欲しいのは一般的なサイズのものなので、PlayStationやXbox用とされているものを買えばいい。ただこちらはあまりニーズがないのか、高さを調整する商品はあるが、純粋にカバーだけというものは意外と見つからない。

 今回は表面保護が目的なので、とりあえず安いものでいいと思い、Amazonで見つけた安価なものを利用した。これと同じデザインの商品は、いろんな通販サイトで安価に売られている。

 取り付け方のガイドもないのだが、カバーを思い切って裏返しにして、アナログスティックの上で元に戻す、という感じで装着した。適当に引っ張ってもはめられると思うが、あまりアナログスティックに力をかけると、この作業で破損させかねないので注意したい。

 試しに「Xbox ワイヤレス コントローラー」に装着してみた。サイズはほぼぴったりで、勝手に外れそうな感覚はない。表面には小さな凸凹があり、触り心地はかなり違う。指の感触が悪くなるのではと不安だったが、使ってみると柔らかい感触と確かなすべり止め効果があり、これはこれで悪くない手ごたえだ。

「Xbox ワイヤレス コントローラー」に装着。見た目の違和感はそれほどなく、使用感も良好

 さらに、先に一部破損したゲームパッドにも装着してみた。欠けた部分がカバーしきれず、若干へこんだような感じになってはいるが、実際に使ってみるとそれほど気にせず操作できる。息子の友達用には引き続きこれを使ってもらってもよさそうだ。

破損した「EDGE 301」にカバーを取り付け。何とか使える形になった

 妻のゲームパッドにも取り付け。この製品はロジクール製「F310」で、アナログスティックの表面が盛り上がっている、今となっては珍しいデザインだ。これにもカバーはギリギリ取り付け可能なサイズで、すべり止め効果も増して使い勝手がよくなった。

「F310」の盛り上がったアナログスティックにも装着できた

 もともとは保護のために購入したものだが、意外と使い勝手がいいので、筆者も使っていこうかなと思っている。今回買ったものは8個入りで、そんなに必要ないと思いつつ予備にと選んだので、うれしい誤算だ。

 本製品以外にも、デザインに凝った製品もいろいろある。もしアナログスティックの表面の痛みが気になる方がいたら、カバーを使ってみることをお勧めする。特にPlayStation用のコントローラーは放っておいても加水分解してべたべたになるので、カバーで対処できるのを覚えておくといいだろう。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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