石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
ゲーム画面キャプチャーソフトの定番「Fraps」はなぜ使われなくなったのか?
2026年1月22日 16:29
あの定番ソフトがいつの間にか使われなくなった
古くからのPCゲーマーの方なら、「Fraps」という名前はご存知だろう。ゲーム画面をキャプチャーしたり、フレームレートを表示させたりできる便利なソフトだ。
ところが現在、本ソフトを使っている方は皆無だと思う。ここ10年くらいのPCゲーマーだと、「Fraps」という名前を聞いたこともないという方も多いはずだ。
2000年代のPCゲーム界隈で一世を風靡した本ソフトは、なぜ使われなくなったのか。理由は大きく2つだ。1つは『使えなくなった』こと、もう1つは『要らなくなった』ことだ。
使えなくなった
『使えなくなった』のは、本ソフトがDirectX 12以降に対応しなかったためだ。
本ソフトの現時点での最終版は、2013年2月26日に公開されたもの。当時はまだWindows 7が主流で、本ソフトの対応OSもWindows XP/2003/Vista/7となっている。すでに、Windows 8は前年の2012年にリリースされていたが、本ソフトはWindows 8への対応を表明していない(筆者の環境では問題なく動作していた)。
2015年になると、Windows 10が登場し、合わせてDirectX 12が実装された。DirectX 11と12では仕様が大きく異なり、本ソフトで採用されていたゲーム画面キャプチャーの方法が使えなくなってしまった。そのためDirectX 12のゲームで使用しても、画面キャプチャーやフレームレート表示ができない。一部のゲームでは動作を不安定にさせることすらあった。
こうなると、何か別の方法で画面キャプチャーをしたり、フレームレートの表示を行ったりしなければならない。DirectX 11以前のゲームであれば使用できたが、「Fraps」はだんだん使いづらいソフトになっていった。
要らなくなった
それならアップデートで最新の環境に対応して欲しいという声がもっと上がってもいいはずだ。実際、更新が止まってからしばらくはそういう声もあったと記憶しているし、筆者も更新を待っていた。
しかし現在はそうではない。最も大きな変化は、Windows 10以降、OSからゲーム画面をキャプチャーできるようになったことだ。ゲーム画面をGPUのテクスチャとして処理できるようになったことで、「Fraps」のような特殊なツールを使うことなく、ゲーム画面をキャプチャーできるようになった。
筆者の場合だと、ゲーム画面のキャプチャーは[Alt]+[PrintScreen]キーで、アクティブなウィンドウをキャプチャー。さらに「OneDrive」の設定にある[作成したスクリーンショットをOneDriveに保存する]をONにすることで、画像が自動で保存される。
「Fraps」は数秒に1枚の画像を自動で撮影し続ける機能があり、とても重宝した。これも現在は、[Windows]+[Alt]+[R]キーで、アクティブなウィンドウを動画キャプチャーし、後から静止画を切り出している。
昔なら動画を保存するためのHDD容量に困ったり、PCの負荷が気になったりしたと思うが、今は全然気にならない。キャプチャーボードも必要なく、PC1台で録画が完結するのだから、とてもありがたい。現在は「Xbox Game Bar」などOS側のゲーミング機能が充実し、フレームレートの表示も可能になった。
かくして「Fraps」は活躍の場を失い、もはや必要とされなくなった。おそらくそれがわかっていて更新が止まったのではないかと思う。時の人ならぬ時のソフト……と呼ぶには活躍が長かったが、時代の流れは残酷なものだと感じる。
ちなみに「Fraps」は37米ドルのシェアウェアであり、現在もPayPalによる支払いができるようだ。当時利用した感謝の気持ちを今伝えたいという方は、こちらをご検討いただきたい。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。






















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