特別企画

新「Windows Live Essentials」ベータ版を試す 第4回

「フォト ギャラリー」「ムービー メーカー」「Writer」でコンテンツを発信しよう

(10/07/01)

 「Windows Live Essentials」ベータ版に同梱されるソフトを紹介する本企画。最終となる今回は、「Windows Live フォト ギャラリー」「Windows Live ムービー メーカー」「Windows Live Writer」の3本を取り上げる。これらのソフトでは、ユーザーインターフェイスに“リボン”を採用して使い勝手を向上させたほか、初心者でも簡単に見栄えのよいメディアコンテンツを作成できる機能が追加されている。

「Windows Live フォト ギャラリー」とは?

「Windows Live フォト ギャラリー」「Windows Live フォト ギャラリー」

 「Windows Live フォト ギャラリー」(以下、「フォト ギャラリー」)は、画像や写真、動画を管理できるソフト。顔認識やタグ、キーワードを使った検索機能を備えるほか、簡単なレタッチ機能を搭載するのが特長。また、オンラインストレージ“SkyDrive”や、“Flickr”“YouTube”“Facebook”といったWebサービスへ写真や動画を投稿する機能も備えている。

“合成写真”の作成機能でカンペキな集合写真を!

 本バージョンでは編集機能が大幅に強化された。とくに“合成写真”の作成機能はぜひ試してほしい機能だ。

 たとえば集合写真などを撮る場合、何枚撮ってもみんなの足並みがそろわず、誰かが横を向いていたり目を閉じていたりで、なかなか納得のいく写真を撮るのは難しい。何枚かの写真のなかから“うまく撮れた部分”だけを組み合わせることができれば、と誰しもが思うところだ。そんなときは本機能が役に立つ。

 利用するにはまず、同じ場面を撮影した集合写真を数枚選択し、リボンの[作成]タブにある[合成写真]ボタンを押す。すると、選択した写真が合成処理されたのち、“合成写真”の編集画面が現れる。

 次に、編集画面で修正したい部分を矩形選択しよう。すると、修正候補がサムネイルつきのポップアップメニューで現れるので、好みの候補を修正しよう。同様の操作で、複数の箇所を修正していくことも可能だ。

全員の足並みがなかなかそろわない集合写真全員の足並みがなかなかそろわない集合写真全員の足並みがなかなかそろわない集合写真

“うまく撮れた部分”を合成して完璧な集合写真に“うまく撮れた部分”を合成して完璧な集合写真に“うまく撮れた部分”を合成して完璧な集合写真に

“修正”機能で都合の悪い部分を消してしまおう

 また、都合の悪い部分を簡単に消してしまえる“修正”機能も便利。たとえば、せっかくうまく写真が撮れたのに、あとで見ると頬にご飯粒がついていたり、額にニキビができていて残念に思うことは少なくない。しかし本機能を利用すれば、初心者でも手軽に修正が可能だ。

 利用するには、まず個別の写真を選択して開く。すると[編集]タブに[修正]ボタンが現れるので、そのボタンを押そう。すると矩形を選択できるようになるので、消してしまいたいご飯粒やニキビなどの異物が収まるように、矩形の位置やサイズを調整する。調整が済むと、異物が消去され、その跡が周りの色と違和感がないように自動で穴埋めされる。

頬にご飯粒がついていたり額にニキビがあっても簡単に消せる“修正”機能頬にご飯粒がついていたり額にニキビがあっても簡単に消せる“修正”機能頬にご飯粒がついていたり額にニキビがあっても簡単に消せる“修正”機能

 そのほか、露出やコントラストなどの一部補正機能を複数の写真へ一括適用するバッチ処理機能が搭載されたこと、モノクロやセピアといったフィルター機能が追加されたことなども、編集機能の強化点だ。

顔認識を利用した検索機能が強化

顔認識を利用した検索機能が強化。認識機能を訓練すれば精度が高まり、これまで認識できなかった写真からも人物を識別できるように顔認識を利用した検索機能が強化。認識機能を訓練すれば精度が高まり、これまで認識できなかった写真からも人物を識別できるように

 そのほかの興味深い点としては、顔認識を利用した検索機能が強化された点が挙げられるだろう。

 これまでも「フォト ギャラリー」は顔認識機能が搭載されていたが、本バージョンではリボンからサムネイル画像を選択することで簡単に当該人物が写った写真を簡単に検索できるようになった。

 また検索の際には、人物タグがついていない写真のなかで、その人と思わしき人をサジェスト可能になっている。サジェストされた人物がその人物であれば[確認]ボタンを押し、もし違ったらサムネイルをクリックして“無視”を選択する。このように、顔認識機能のサジェスト機能を訓練していくと、次第に認識精度が高まり、これまで認識できなかった写真からも、人物を識別できるようになる。

「Windows Live ムービー メーカー」とは?

「Windows Live ムービー メーカー」「Windows Live ムービー メーカー」

 「Windows Live ムービー メーカー」(以下、「ムービー メーカー」)は、初心者でも簡単に利用できるように設計されたビデオクリップ作成ソフト。

 写真、動画、音楽といった素材をもとにドラッグ&ドロップなどの簡単操作でビデオクリップを作成できるのが特長で、素材ごとにアニメーションの切り替え効果や、特殊な視覚効果を付加できる。

 また、素材をもとに自動で見栄えのよい動画を作成できる“オートムービー”機能を搭載。再生時間にぴったり合うように素材動画からハイライトシーンを自動抽出、適当なエフェクト効果などを加えるといった操作を自動で行えるのが初心者に心強い。作成したビデオクリップはWMV型式で保存できるほか、DVDメディアへ書き込んだり、動画共有サイトへ直接アップロードできる。

リボンへのマウスオーバーでオートムービーのテーマやフィルター効果を実際に適用した様子をプレビュー再生できる“ライブプレビュー”機能リボンへのマウスオーバーでオートムービーのテーマやフィルター効果を実際に適用した様子をプレビュー再生できる“ライブプレビュー”機能

 本バージョンでは、“オートムービー”機能が強化され、“テーマ”を選択できるようになった。

 テーマは全7種類用意されており、選択するだけでさまざまなエフェクトや切り替え効果を利用した本格的な動画を自動作成できる。オートムービーのテーマは、リボンの[ホーム]タブで選択する仕組み。また、リボンへのマウスオーバーでオートムービーのテーマやフィルター効果を実際に適用した様子をプレビュー再生できる“ライブプレビュー”機能が搭載されたのも便利。

「Windows Live Writer」とは?

「Windows Live Writer」「Windows Live Writer」

 「Windows Live Writer」(以下、「Writer」)は、ローカルPC上でブログの記事を作成して投稿できるソフト。ワープロソフトのような操作で記事を作成できるほか、すでに公開済みの記事を取得して再編集することも可能。また、複数のブログサービスのアカウントを一括で管理することもできる。

 新しい「Writer」では、ブログ記事に挿入した写真の編集機能が強化された。「Windows Live メール」の“フォトメール”と同じく、さまざまなスタイルで“SkyDrive”上のアルバムを挿入できるようになったほか、「Writer」上でも簡単なレタッチが行えるようになった。

 そのほか、絵文字の挿入機能も追加された。「Windows Live Messenger」でお馴染みの絵文字をブログ記事に挿入できる。

さまざまなスタイルで“SkyDrive”上のアルバムを挿入できるようにさまざまなスタイルで“SkyDrive”上のアルバムを挿入できるように

「Windows Live Messenger」でお馴染みの絵文字をブログ記事で利用できる「Windows Live Messenger」でお馴染みの絵文字をブログ記事で利用できる

使ってみよう ―― 手軽にビデオクリップを作成、ブログで公開しよう

 「フォト ギャラリー」「ムービー メーカー」を利用すれば、たとえば結婚披露宴で上映するビデオクリップを作るといったことも簡単に行える。

 まず、「フォト ギャラリー」で新郎・新婦の画像を人物タグで検索する。日ごろからまめに顔認識機能の訓練やタグの管理を行っておけば、二人が写った写真や動画を探すのも朝飯前だ。次に、検索結果で得られた写真や動画から適当なものを選択して、[作成]タブの[ムービー]ボタンを押す。すると、今度は「ムービー メーカー」が起動し、「フォト ギャラリー」で指定した写真や動画が素材として登録される。

 続いて、「ムービー メーカー」のリボンを[ホーム]タブに切り替え、“オートムービーのテーマ”から好みのテーマを選択する。マウスオーバーでテーマを適用した場合のビデオがプレビュー表示されるので、それを参考に選択しよう。テーマを選択すると、音楽素材の指定を求められるので、何か思い出の曲を選択する。たったこれだけの操作で、なかなか見栄えのよいビデオクリップが作成されているはずだ。

 あとは、お祝いのコメントなどをつけ加えて完成。「ムービー メーカー」では、作成したムービークリップをDVDにすることもできるので、プレゼントにも最適だろう。また、ムービークリップを“SkyDrive”や“YouTube”へアップロードすることも可能。ただし、その場合はプライバシーの問題もあるので公開設定には十分気をつけよう。

 また、旅行の思い出をムービークリップにまとめて、ブログへ掲載してもよいだろう。この場合、ムービークリップは“SkyDrive”ではなく“YouTube”へアップロードするのがおすすめ。“YouTube”ならば「Writer」上から直接ブログ記事へ埋め込める。さらに、「フォト ギャラリー」から直接「Writer」を起動して、“SkyDrive”の“フォトアルバム”を作成・挿入することも可能。うまく活用して、日々のブログ記事も見栄えをよくしたいものだ。

「Windows Live フォト ギャラリー」

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows Vista/Server 2008/7/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
15.3.2804.607(10/06/25)

「Windows Live ムービー メーカー」

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows Vista/Server 2008/7/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
15.3.2804.0607(10/06/25)

「Windows Live Writer」

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows Vista/Server 2008/7/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2010 (Build 15.3.2804.607)(10/06/25)

(柳 英俊)