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日本語のテキスト翻訳にも。“Microsoft Translator”の音声翻訳にニューラルネットワークが導入
モバイル版「Translator」アプリや「Skype」の翻訳機能“Skype Translator”にも応用
2016年11月21日 18:17
米Microsoft Corporationは15日(日本時間)、機械翻訳サービス“Microsoft Translator”の音声翻訳にニューラルネットワーク技術を導入したことを明らかにした。現在、“Microsoft Translator speech API”がサポートする9言語(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、スペイン語)でニューラルネットワークによる機械翻訳が利用可能。また、日本語のテキスト翻訳にもニューラルネットワーク技術が利用されているという。
“ニューラルネットワーク”は、シナプスの結合から成る人間の脳に着想を得たアプローチで、特定の事象に関わるデータを解析してその傾向を学習し、判断や予測に役立てる“機械学習”の方法論の1つ。なかでも多層構造のニューラルネットワークを構築して膨大なデータを処理する“ディープラーニング(深層学習)”は近年、音声処理や画像処理といった人工知能(AI)のシナリオで大きな成果を上げている。最近では、ディープラーニングを用いたコンピュータ囲碁プログラム「AlphaGo」が囲碁のトッププロを破ったことが大きな話題となった。
同社によると、ディープニューラルネットワークを用いた機械翻訳は、これまで業界標準で用いられてきた“統計的機械翻訳(SMT)”と呼ばれる手法に比べ、テキスト全体の文脈を把握するのに長けており、より高品質で人間味のある出力を行うことができるという。
ニューラルネットワークベースの機械翻訳を実際に試してみたい場合は、同社が用意しているオンラインの比較ツールで統計的機械翻訳との違いを体験することが可能。モバイル版の「Microsoft Translator」アプリや、「Skype」の翻訳機能“Skype Translator”にもニューラルネットワークベースの機械翻訳が応用されている。また、同社のクラウドプラットフォーム“Azure”で提供されている“Microsoft Translator API”を利用すれば、開発者が自分のアプリに組み込むことも可能だ。
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