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Microsoftの無償コードエディター「Visual Studio Code」v1.14.0、今月も改善が満載

インサイダービルドでは64bit版Windows向けのビルドを提供

「Visual Studio Code」v1.14.0

 米Microsoft Corporationは12日(日本時間)、マルチプラットフォーム対応のコードエディター「Visual Studio Code」v1.14.0を安定版として公開した。Windows/Mac/Linuxに対応するフリーソフトで、現在、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。すでに利用している場合は、自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。

統合ターミナルが改善。ターミナルのテキストをすべて選択するコマンドなどを新たに提供

 今回のアップデートでは、まず統合ターミナルが改善された。テキストの選択処理を通常のWeb選択に任せるのではなく、ターミナル自身が管理・描画する新しいモデルへ刷新した結果、多くの問題を修正することができたという。また、ターミナルのテキストをすべて選択するコマンドや、検索コマンド、セッションのリネームコマンドなどが新たに提供されている。

 次に、[Ctrl]+[Shift]+[P]キーでアクセスできる“コマンド パレット”へ最近利用した(Most Recently Used:MRU)コマンドをリスト表示する機能が追加された。このMRUリストは「Visual Studio Code」を再起動するまで保持され、頻繁に利用するコマンドへのアクセスを提供する。

 一方、エディター関連では自動インデント機能がサポートされた。TypeScript、JavaScript、CSS、HTML、JSONのインデントルールがプリセットされており、ソースコードの入力、移動、貼り付けを行った際に、状況に応じて適切なインデントが追加される。

 さらに、HTML/CSSの入力補助機能「Emmet」が拡張され、マルチカーソルがサポートされた。新しい「Emmet」では、カスタマイズによりHTML/CSS以外の言語でも利用できるようになっている。

 また、ファイルの比較(Diff)機能に“レビューペイン”が追加された。“レビューペイン”は2つの文書を左右に並べて比較する一般の形式とは異なり、1つの画面で差分を表示するパッチ形式になっており、スクリーンリーダーとの相性がよい。“レビューペイン”への切り替えは[F7]キーで行う仕組みで、矢印キーで行の移動が可能。[Enter]キーを押せば、選択中の箇所を通常のDiff画面に切り替えて表示できる。

[F7]キーでDiffエディターの表示を切り替え

 そのほかにも、タスク管理を容易にするための[タスク]メニューがメインメニューに追加。「Angular」クライアントのデバッグが強化された。また、リストやプルダウン項目に“Aria”プロパティが追加されるなど、スクリーンリーダーとの親和性が図られている。

 なお、プレビュー版であるインサイダービルドでは、64bit版Windows向けのビルドが提供される。そのほかにもインサイダープレビューでは、1つのワークスペースに複数のルートフォルダーを持つことのできる“マルチルートワークスペース”などがサポートされるという。


ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10およびMac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.14.0(17/07/12)