ニュース

「LibreOffice 5.4.0」が公開 ~オープンソースのオフィス統合環境の最新版

相互運用性向上を図るとともに、ドキュメント構造を見直してサイズを削減

「LibreOffice」v5.4.0.3

 The Document Foundationは28日(中央ヨーロッパ時間)、オープンソースのオフィス統合環境「LibreOffice」の最新版「LibreOffice 5.4.0」を公開した。Windows XP/Vista/7/8/10および64bit版のWindows Vista以降に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

 「LibreOffice」は、「OpenOffice.org」から派生したオープンソースのオフィス統合環境。ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーションソフト「Impress」、図形描画ツール「Draw」、数式エディター「Math」、データベースソフト「Base」から成る。新しい機能を望むユーザーと互換性を重視するユーザー双方のニーズを満たすため、最新の機能をアグレッシブに盛り込んだ最新版“Fresh”と、基本的に不具合の修正のみを行う互換性重視の安定版“Still”が用意されている。今回リリースされたのは“Fresh”版で、エンタープライズ環境への導入は推奨されていない。

 v5.4系統初のリリースとなる本バージョンでは、生成されるドキュメントファイルの相互運用性向上が図られた。ODF/OOXMLファイルに含まれるXMLの構造を見直し、冗長な表現を徹底的に削除した結果、「Microsoft Office」に比べてODT形式の場合で約50%、DOCX形式の場合で約90%のサイズ削減を実現しているという。

 そのほかにも、RYBカラーモデルに基づく新しいカラーパレットを新たに導入。インポートまたはドキュメントへ挿入されたPDFファイルの品質が格段に改善された。また、Linux版ではOpenPGPカギを用いてODF文書へ署名できるようになった。

 なお、各アプリにおける主要な改善点は以下の通り。

ワープロソフト「Writer」

「Writer」
  • 「Microsoft Word」のDOTMテンプレートからAutoTextをインポート可能に
  • 番号付きまたは箇条書きリストをテキストとしてエクスポートしたり貼り付けたりした際、それらの構造が保たれるように
  • 書式メニューで、カスタムの透かしを作成可能に
  • セクションや脚注、奥付、スタイルを編集するためのコンテキストメニューが追加

表計算ソフト「Calc」

「Calc」
  • ピボットチャートをサポート。ピボットテーブルが更新されると、チャートもそれに応じて更新されるように
  • すべてのコメントを表示、非表示、そして削除するメニューコマンドが加わり、コメントの管理が容易に
  • セルに条件付き書式を適用する際、ルールの優先順位を上下ボタンで簡単に変えられるように
  • シートを保護するオプションを拡充。行や列の追加削除を許すオプションを選択できるように
  • CSV形式へエクスポートする設定が次回利用のために記憶されるように

プレゼンテーションソフト「Impress」

「Impress」
  • オブジェクトを複製する際、角度に分数を指定できるように。この設定は次回利用のために保存される

ソフトウェア情報

「LibreOffice」Fresh版
【著作権者】
LibreOffice contributors
【対応OS】
Windows XP/Vista/Server 2008/7/8/Server 2012/10および64bit版のVista以降
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
5.4.0.3(17/07/28)