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Facebook、「myPersonality」など約400のアプリを停止 ~ユーザー情報の不正利用の疑い

「myPersonality」でデータ提供した約400万人のユーザーに対し不正利用の可能性を通知

“Facebookニュースルーム”

 米Facebookは8月22日(現地時間)、心理調査を行うFacebookアプリ「myPersonality」のアクセスを停止したことを発表した。開発元がFacebookによる調査を拒否したのに加え、十分な保護管理なしに他の研究者や企業へユーザー情報を提供したことが明らかになったのが理由であるという。

 「myPersonality」は2007年、ノッティンガム大学の大学院生David Stillwell氏(現在はケンブリッジ大学Psychometrics Center副所長)によって開発されたFacebookアプリ。パーソナリティアンケートに答えることで、心理学の研究に参加することができた。2009年にはケンブリッジ大学の大学院生Michal Kosinski氏(現在はスタンフォード大学の教授)の参加を得て運営されていたが、2012年に維持する時間が取れないとして閉鎖。その際、“Facebook”で得られたデータを研究に提供することを選んだユーザーが4割ほどいたという。

 「myPersonality」を管理していた2人は、同じケンブリッジ大学のAlexander Kogan氏との関係が疑われている。Kogan氏は性格診断アプリで“Facebook”のユーザーデータを収集し、トランプ陣営の選挙コンサルティング会社Cambridge Analyticaと不正に共有したとして問題になった人物だ。

 「myPersonality」側は、収集したデータを学術研究のために匿名で共有したことは認めたものの、商用目的でのデータ提供やCambridge Analytica社との関係は否定している。しかし、Kogan氏が研究員という立場で「myPersonality」のデータにアクセスしていたのは事実のようだ。そこでFacebook社は4月、「myPersonality」を停止して調査を進めていた。

 「myPersonality」でデータの提供を許可したおよそ400万人のユーザーに対し、同社はデータの不正利用があった可能性を通知する予定。ただし、今のところ「myPersonality」がユーザーの友人の情報にまでアクセスしたという証拠は得られなかったため、友人への通知は見送られた。同社は、証拠が見つかれば改めて通知を行うとしている。

 そのほかにも、Facebookは調査開始から3カ月間で数千ものアプリを調査し、データの不正利用が疑われる400のアプリを一時停止したという。この調査は今後も継続される予定。また、ユーザーデータが不正利用されたことを反省し、アプリレビューを厳格化したほか、90日間アクセスのないアプリに対しユーザー情報へのアクセスを無効にするポリシーを定めるなど、ユーザー保護のための対策を進めている。