ニュース

設定の同期機能“Vivaldi Sync”を追加した「Vivaldi 2.0」が正式公開

「Vivaldi 1.0」リリースから2年半、1,500以上の改善を導入

「Vivaldi 2.0」

 ノルウェーのVivaldi Technologiesは9月26日、「Vivaldi 2.0」を正式公開した。2016年に「Vivaldi 1.0」がリリースされて以降、初めてのメジャーバージョンアップとなる。

 「Vivaldi」は、Opera Softwareの元CEOであるJon S. von Tetzchner氏らによって開発されているWebブラウザー。「Opera」は“Presto”エンジンから「Google Chrome」と同じ“Blink”エンジンへ移行する際、馴染みのある機能のほとんどをリセットしてしまった。そこで古き良き「Opera 12」を受け継ぎ、ユーザーファーストの開発を志して立ち上げられたのが「Vivaldi」プロジェクトだ。

 レンダリングエンジンこそ「Google Chrome」や「Opera」と同じ“Blink”だが、タブスタックやクイックコマンド、マウスジェスチャー、拡張可能なサイドパネル、ビジュアライズされた履歴機能など、「Vivaldi」には他のブラウザーにはないユニークな機能が数多く標準搭載されている。外観や機能のカスタマイズ性が高く、ユーザーが隅々まで自由に変更できるのも魅力といえるだろう。

複数のタブをグループ管理する“タブスタック”(「Vivaldi 1.0」当時のもの)
[F2]キーで呼び出せるコマンドランチャー“クイックコマンド”(「Vivaldi 1.0」当時のもの)
マウスを特定の軌道で動かすことでコマンドを発動する“マウスジェスチャー”(「Vivaldi 1.2」当時のもの)
閲覧履歴をカレンダーやグラフで表示(「Vivaldi 1.8」当時のもの)

 「Vivaldi 2.0」では、設定の同期機能、サイズ変更が可能なタブタイル、フローティング可能なウェブパネルなどの機能が追加された。なかでも注目は、複数の環境で設定を同期できる“Vivaldi Sync”だろう。「Vivaldi」はWindowsだけでなくMacやLinuxでも利用できるので、異なるプラットフォームで「Vivaldi」を利用しているユーザーにとっても有用だ。

 “Vivaldi Sync”を利用するには、コミュニティサイト“Vivaldi.net”のアカウントが必要。同じアカウントでログインすれば、複数の「Vivaldi」で同じ設定を共有することができる。同期できるデータは“ブックマークとスピードダイヤル”、“設定”、“パスワード”、“フォーム自動入力”、“入力履歴とリモートセッション”、“拡張機能”、“メモ”の7項目で、それぞれ個別に有効化・無効化可能。同期データは“Vivaldi.net”のログインパスワードを鍵として暗号化されるが、“Vivaldi.net”とは個別にパスワードを設定して暗号化することもできる。

設定の同期機能“Vivaldi Sync”

 また、「Vivaldi 2.0」ではタブスタックを分割(タイル)表示した“タブタイル”を自由にリサイズできるようになった。タイルの境界線をドラッグするだけで、自由にレイアウトを変更することができる。なお、分割表示のスタイルはステータスバーの[ページを並べて表示する]アイコンから変更が可能。

タブスタックを分割表示する“タブタイル”はリサイズ可能に

 そのほかにも、“タブサイクラー”([Ctrl]+[Tab])にリスト表示が追加された。両隣のタブしか表示されない従来表示よりも一覧性が高く、目的のタブを探しやすいのが利点だ。この機能は初期状態で無効化されているが、[設定]ダイアログの[タブ]画面にある[タブ機能]セクションで有効化できる。

従来版の“タブサイクラー”
新しいリスト形式の“タブサイクラー”は一覧性が高い

 ウェブパネルのフローティング表示は、[設定]ダイアログの[パネル]画面にある[パネルオプション]セクションからで有効化可能。[パネルのオーバーレイ表示]というチェックボックスをONにすると、ウェブパネルが閲覧画面の横ではなく上に表示されるようになる。Webページをサイドバーにずっと開いておくのではなく、ときどきチラッと確認したい場合は、初期設定よりもフローティング(オーバーレイ)表示の方がふさわしい。また、ウェブパネルを追加する際、閲覧履歴から候補を表示するようになったのも便利だ。

閲覧画面の横ではなく上に表示されるウェブパネル
ウェブパネルを追加する際、閲覧履歴から候補を表示するようになったのも便利

 そのほかにも、ウェルカム画面が“Vivaldi Sync”の導入にあわせて刷新。既定のテーマも新しくなった。

 「Vivaldi」はWindows/Mac/Linuxに対応するクロスプラットフォーム対応アプリケーションで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。現在、本ソフトの公式サイトから32bit版と64bit版を無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を利用して最新版へアップデートすることも可能。

ソフトウェア情報

「Vivaldi」
【著作権者】
Vivaldi Technologies AS
【対応OS】
Windows/Mac/Linux(Windows版は64bit版を含むWindows 7以降)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.1309.29(18/09/26)