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設定の同期機能“Vivaldi Sync”を追加した「Vivaldi 2.0」が正式公開
「Vivaldi 1.0」リリースから2年半、1,500以上の改善を導入
2018年9月27日 11:00
ノルウェーのVivaldi Technologiesは9月26日、「Vivaldi 2.0」を正式公開した。2016年に「Vivaldi 1.0」がリリースされて以降、初めてのメジャーバージョンアップとなる。
「Vivaldi」は、Opera Softwareの元CEOであるJon S. von Tetzchner氏らによって開発されているWebブラウザー。「Opera」は“Presto”エンジンから「Google Chrome」と同じ“Blink”エンジンへ移行する際、馴染みのある機能のほとんどをリセットしてしまった。そこで古き良き「Opera 12」を受け継ぎ、ユーザーファーストの開発を志して立ち上げられたのが「Vivaldi」プロジェクトだ。
レンダリングエンジンこそ「Google Chrome」や「Opera」と同じ“Blink”だが、タブスタックやクイックコマンド、マウスジェスチャー、拡張可能なサイドパネル、ビジュアライズされた履歴機能など、「Vivaldi」には他のブラウザーにはないユニークな機能が数多く標準搭載されている。外観や機能のカスタマイズ性が高く、ユーザーが隅々まで自由に変更できるのも魅力といえるだろう。
「Vivaldi 2.0」では、設定の同期機能、サイズ変更が可能なタブタイル、フローティング可能なウェブパネルなどの機能が追加された。なかでも注目は、複数の環境で設定を同期できる“Vivaldi Sync”だろう。「Vivaldi」はWindowsだけでなくMacやLinuxでも利用できるので、異なるプラットフォームで「Vivaldi」を利用しているユーザーにとっても有用だ。
“Vivaldi Sync”を利用するには、コミュニティサイト“Vivaldi.net”のアカウントが必要。同じアカウントでログインすれば、複数の「Vivaldi」で同じ設定を共有することができる。同期できるデータは“ブックマークとスピードダイヤル”、“設定”、“パスワード”、“フォーム自動入力”、“入力履歴とリモートセッション”、“拡張機能”、“メモ”の7項目で、それぞれ個別に有効化・無効化可能。同期データは“Vivaldi.net”のログインパスワードを鍵として暗号化されるが、“Vivaldi.net”とは個別にパスワードを設定して暗号化することもできる。
また、「Vivaldi 2.0」ではタブスタックを分割(タイル)表示した“タブタイル”を自由にリサイズできるようになった。タイルの境界線をドラッグするだけで、自由にレイアウトを変更することができる。なお、分割表示のスタイルはステータスバーの[ページを並べて表示する]アイコンから変更が可能。
そのほかにも、“タブサイクラー”([Ctrl]+[Tab])にリスト表示が追加された。両隣のタブしか表示されない従来表示よりも一覧性が高く、目的のタブを探しやすいのが利点だ。この機能は初期状態で無効化されているが、[設定]ダイアログの[タブ]画面にある[タブ機能]セクションで有効化できる。
ウェブパネルのフローティング表示は、[設定]ダイアログの[パネル]画面にある[パネルオプション]セクションからで有効化可能。[パネルのオーバーレイ表示]というチェックボックスをONにすると、ウェブパネルが閲覧画面の横ではなく上に表示されるようになる。Webページをサイドバーにずっと開いておくのではなく、ときどきチラッと確認したい場合は、初期設定よりもフローティング(オーバーレイ)表示の方がふさわしい。また、ウェブパネルを追加する際、閲覧履歴から候補を表示するようになったのも便利だ。
そのほかにも、ウェルカム画面が“Vivaldi Sync”の導入にあわせて刷新。既定のテーマも新しくなった。
「Vivaldi」はWindows/Mac/Linuxに対応するクロスプラットフォーム対応アプリケーションで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。現在、本ソフトの公式サイトから32bit版と64bit版を無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を利用して最新版へアップデートすることも可能。
ソフトウェア情報
- 「Vivaldi」
- 【著作権者】
- Vivaldi Technologies AS
- 【対応OS】
- Windows/Mac/Linux(Windows版は64bit版を含むWindows 7以降)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2.0.1309.29(18/09/26)