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Google、「Android Q」を発表
プライバシーの保護に注力。折り畳みデバイスをはじめとする新技術にも対応
2019年3月14日 17:48
米Googleは3月13日(現地時間)、モバイル向けOS「Android」の次期バージョン「Android Q」を発表した。ベータ版のOSとSDKがアーリーアダプター向けにリリースされている。現在のところ、“Google Pixel”デバイスで利用可能だ。
モバイルデバイスでは次世代通信システム“5G”やベゼルのない“edge to edge”なディスプレイ、果ては折り畳み式の端末など、さまざまな技術革新が進行中だが、次期OS「Android Q」はそうしたイノベーションをカバーするとともに、下支えする存在となる。
なかでもとくに力が入れられているのが、プライバシーの保護だ。「Android Q」ではアプリがユーザーの位置情報を取得できるかどうかを詳細に制御できるようになるほか、共有ファイルへのアクセスやバックグラウンドアプリによるアクティビティの起動もコントロールできるようになる。オンラインにおけるユーザーの特定につながる可能性のある情報へのアクセスを制限したり、デバイスのMACアドレスをランダマイズする機能も導入される(現行の「Android 9 Pie」ではオプション扱い)。
ユーザーインターフェイス面での注目は、やはり折り畳みデバイスへの対応だろう。しかしそれ以外にも、他のアプリの別ユーザーと簡単にコンテンツを共有できる仕組み“Sharing Shortcuts”や、「Android 9 Pie」で導入された“スライス”機能を利用した設定パネルなど、改善は多岐にわたる。
マルチメディア関連では、動的深度(Dynamic Depth)画像フォーマットがサポートされる。マルチカメラで得られた深度データを有効活用して、写真の被写界深度を変えたような、特殊なボケやボカシ効果を加える機能をアプリに組み込めるようになる。また、ロイヤリティフリーのオープンソースビデオコーデックとして期待されている「AV1」にも対応。C++言語でオーディオ処理を実行するアプリのためにネイティブMIDI APIが導入されるほか、「Vulkan」対応の拡充と、「ANGLE」の実験的サポートといったグラフィックス関連の強化も図られている。
そのほかにも、ニューラルネットワークAPIを1.2へアップデート。Androidランタイム(ART)においても、さまざまな最適化によりパフォーマンスの向上やメモリ消費量の削減が実現される。