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「Google Chrome 74」ベータ版が公開 ~Windows版も“ダーク モード”対応へ

メディアクエリの“prefers-reduced-motion”をサポートするなど開発者向け機能も拡充

「Google Chrome 74」ベータ版が公開、Windowsでもシステムの設定に従って“ダーク モード”が適用されるように

 米Googleは3月22日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome 74」をベータチャンネルへリリースした。「Google Chrome 74」の目玉は、Windowsでもシステムの設定に従って“ダーク モード”が適用されるようになること。Macでは「Google Chrome 73」からサポートされている。

 ただし、今のところシステムの設定に従って“ダーク モード”が適用されるのは、現在プレビュー中の「Windows 10 バージョン 1903」(19H1)以降だ。「設定」アプリの[個人設定]-[色]セクションで“アプリ モード”を“黒”へ切り替えると、それに応じて「Google Chrome」もダークテーマへ切り替えられる。

「Google Chrome 73」と「Google Chrome 74」を“ダーク モード”の「Windows 10 バージョン 1903」で実行した様子

 また、公式ブログ“Chromium Blog”によると、「Google Chrome 74」では開発者向け機能も拡充されている。中でも注目は、メディアクエリで“prefers-reduced-motion”がサポートされたこと。

 “メディアクエリ(Media queries)”は端末のスクリーンサイズやサポートカラー、入力方法といった特性をWebブラウザーへ伝え、スタイルシート(CSS)でそれに適したデザインを行えるようにする仕組み。このメディアクエリはアクセシビリティ関連の情報を取得することも可能で、たとえば“@media (prefers-reduced-motion: reduce)”と指定すれば、アニメーションなどの効果をなるべく抑えるようにした方が好ましいことをWebブラウザーへ伝えることができる。

 「Google Chrome 74」はAndroidなどで設定されたアクセシビリティオプションを尊重し、“prefers-reduced-motion”を通知するようになる。明滅やフラッシュといった効果を身体的に受け付けないユーザーや、性能が低い端末やバッテリー節約モードの端末を利用しているユーザーにも優しいWebサイトを開発するための手掛かりとなるだろう。

 そのほかにも、JavaScriptのクラスでプライベートなフィールドを宣言できるようになる(パブリックフィールドは「Google Chrome 72」ですでに利用可能)など、多くの機能が追加された。また、アンロード中にポップアップを許可しないようになる(「Google Chrome 72」で行われる予定だったが「Google Chrome 74」に延期された)ほか、サンドボックス化された“iframe”でドライブバイダウンロードが禁止されるなど、セキュリティ面での強化も行われている。

 「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linuxに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。