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Adobe、「Adobe Shockwave」の提供を終了
20年以上の歴史に幕
2019年4月9日 10:30
米Adobeは4月9日(現地時間)をもって、Windows版「Adobe Shockwave」プラグインのダウンロード提供を終了する。2020年末の更新・提供の終了が発表されている「Adobe Flash Player」に先んじて、その長い歴史に終止符が打たれることとなった。
「Adobe Shockwave」は、もともとAdobeのライバルであった米Macromedia社のマルチメディアプラットフォーム。Webブラウザーベースのインタラクティブアプリやゲームなどで広く用いられていたが、2005年にAdobe社が買収。その製品ラインナップに加えられた。
しかし、近年はWeb標準技術の進歩とモバイルデバイスの普及、セキュリティとパフォーマンス上の理由により、インタラクティブコンテンツはプラグインレスのHTML5 CanvasやWeb GLといったプラットフォームへ移行しつつある。このため、最近では「Adobe Shockwave」が利用される機会はめっきり減っている。
Shockwaveコンテンツを制作するには「Adobe Director」(旧称:Macromedia Director)などのオーサリングツールが必要だが、「Adobe Director」の提供は2017年2月1日をもってすでに終了している。また、macOS版「Shockwave Player」プラグインの提供も同年3月1日をもって打ち切られており、「Adobe Shockwave」関連の製品はWindows版プラグインを残すのみとなっていた。
なお、個人向けのサポートも「Adobe Shockwave」の提供終了をもって打ち切られる。ただし、EULA配布ライセンスのユーザーは1年の契約期間が満了するまでサポートが継続される。また、大規模法人ユーザーには2020年の契約期間終了まで引き続きサポートが提供されるとのこと。
Adobeは、「Adobe Shockwave」の後継として「Adobe Creative Cloud」で提供しているコンテンツ製作ツール群を推奨している。たとえば、コンテンツオーサリングツール「Adobe Animate」を利用すれば、HTML5 Canvas、WebGL、Flash/Adobe AIRといったマルチメディアコンテンツを制作可能だ。