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「WSL 2」は「Windows 10 Home」でも利用可能 ~MicrosoftがFAQを掲載
「WSL 1」と「WSL 2」は切り替え可能で、当面の間併存
2019年5月14日 13:17
米Microsoftは5月13日(米国時間)付けで公開した公式ブログ“Windows Command Line Tools For Developers”の記事で、先週発表された「Windows Subsystem for Linux(WSL)2」へ寄せられた疑問に答えている。現行の「WSL 1」と「WSL 2」は当面の間併存することになりそうだ。
「WSL 2」は「Hyper-V」を使用する? する場合は「Windows 10 Home」でもサポートされる?
「WSL 2」は確かに「Hyper-V」アーキテクチャーで仮想化されるが、「Windows 10 Home」を含むすべてのWindows 10エディション(SKU)で利用できる。「WSL 2」向けの「Hyper-V」機能サブセットが、オプションとして提供される予定だ。
「WSL 1」は廃止されるのか?
現在のところ、「WSL 1」を廃止する予定はない。
「WSL 1」ディストリビューションと「WSL 2」ディストリビューションは並行して実行できるし、いつでもディストリビューションのアップグレード・ダウングレード(「WSL 1」と「WSL 2」との切り替え)が可能だ。
「WSL 2」は「VMWare」、「Virtual Box」といった他のサードパーティ仮想化ツールと共存できる?
「Hyper-V」を有効にした環境では、一部のサードパーティ製仮想化ツールが機能しない。つまり、「WSL 2」とサードパーティーツールを共存させることはできないが、そのツールには残念ながら「VMWare」と「Virtual Box」が含まれる。
同社はこの問題を解決する方法を調査中だが、目下有効なのが“Hypervisor Platform”と呼ばれるAPIだ。このAPIを利用すれば、サードパーティの仮想化プロバイダーが自社ソフトに「Hyper-V」との互換性を持たせることが可能。たとえば「Google Android Emulator」ではこの仕組みが用いられており、「Hyper-V」アーキテクチャーとの互換性がある。
「WSL 2」でGPUにアクセスできるか? ハードウェアサポートを増やす予定はあるか?
「WSL 2」の初期リリースでは、ハードウェアアクセスのサポートは制限される。将来的な対応は検討されているものの、現状ではGPUやシリアルポート、USBデバイスへのアクセスはサポートされない。
シリアルポートやUSBデバイスへのアクセスを望む場合は、当面の間「WSL 1」を利用する必要があるだろう。
「WSL 2」はネットワークアプリケーションを利用できるか?
「WSL 2」はLinuxシステムコールとの完全な互換性をもつので、ネットワークアプリは利用可能。また、「WSL 1」よりも高速に動作する。
ただし、初期プレビュービルドでは仮想化ネットワークコンポーネントが用いられている関係で、たとえば「WSL 2」はホストと異なるIPアドレスを持つことになる。「WSL 1」のように“localhost”だけでWindows/Linuxを問わず、すべてのネットワークアプリケーションにアクセスできるようにするといったことは現状ではできない。将来的な改善に期待したい。