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「Windows 10 May 2019 Update」には既知の不具合が12件 ~手動更新には十分注意
自動配信を待つのがおすすめ
2019年5月23日 15:12
「Windows 10 May 2019 Update(バージョン 1903、19H1)」の一般提供が米国時間5月21日より開始されたが、すでに既知の不具合が12件確認されている。「メディア作成ツール」などを利用した手動アップグレードを検討しているユーザーは、注意が必要だ。
なお、同社は機械学習を積極的に活用したフィードバック監視システムを構築している。問題が確認されるとすみやかに配信停止措置が取られるため、影響を受ける可能性のある環境に「May 2019 Update」が配信されることはほぼないはずだ。確認された問題は、リリースヘルスダッシュボードで随時公開される。
目次
調査中の問題
ディスプレイの明るさを調整できない(クライアントOSにのみ影響)
Intel製ディスプレイドライバーの一部は「May 2019 Update」との互換性に問題を抱えており、ユーザーインターフェイスでディスプレイの明るさ(輝度)を調整できたようにみえても、実際に適用されないことがある。
回避策
- デバイスを再起動する
状況
- 修正中
“Dolby Atmos”ヘッドフォンおよびホームシアターでオーディオが機能しない(クライアントOSにのみ影響)
「May 2019 Update」へアップデートすると、「Dolby Access」アプリのライセンス(ホームシアターは無償、ヘッドフォンは有償)を処理できず、オーディオが再生されないことがある。
同社によると、これは“Microsoft Store”のライセンスコンポーネントに起因する問題で、現在解決に取り組んでいるとのこと。
回避策
- 未掲載。影響する環境への「May 2019 Update」配信をブロック中
状況
- 6月中旬に修正プログラムが提供される予定
ユーザープロファイルディレクトリに表示されるフォルダーとドキュメントが重複する(クライアントOSにのみ影響)
リダイレクトされた既知のフォルダー(デスクトップ、ドキュメント、ピクチャなど)がシステムに存在する場合、“%userprofile%”フォルダーに同じ名前の空フォルダーが作成されることがある。
「OneDrive」アプリで“重要な PC のフォルダー”をバックアップしたケースや、購入したPCを最初にセットアップするプロセス(Out-of-Box-Experience、OOBE)でコンテンツのバックアップを行ったケース、「エクスプローラー」のプロパティダイアログで既知のフォルダーのパスを変更したケースで影響を受ける可能性があるが、ユーザーファイルが削除されることはない。
回避策
- 未掲載。影響する環境への「May 2019 Update」配信をブロック中
状況
- 5月下旬に修正プログラムが提供される予定
緩和策のある問題
外付けUSBデバイスまたはメモリカードを接続してアップデートしようとするとエラーが発生する(クライアントOSにのみ影響)
たとえば、USBメモリを挿入したPCを「May 2019 Update」へ更新しようとすると、その途中でドライブレターが変わってしまう。このドライブが再割り当てされる問題は、リムーバブルドライブだけでなく、内蔵ハードドライブにも影響する可能性がある。
回避策
- USBデバイスやSDカードなど、すべての外付けメディアをPCから取り外してアップグレードを行う
- それが不可能な場合は、アップグレードを行わない。影響する環境への「May 2019 Update」配信はブロックされている
状況
- 5月下旬に修正プログラムが提供される予定
Bluetoothデバイスを検出もしくは接続できない(クライアントOS、サーバーOSに影響)
RealtekおよびQualcommによって製造されたBluetoothデバイスは、ドライバーの一部バージョンが「May 2019 Update」と互換性問題を抱えている。
回避策
- デバイスの製造元(OEM)に確認して、修正済みのドライバーを入手する。Qualcommの場合はv10.0.1.11以降、Realtekドライバーの場合はv1.5.1011.0以降へアップデートする
状況
- ドライバーを手動更新すれば「May 2019 Update」へアップデート可能。将来的には“Windows Update”を介して新しいドライバーが提供される
夜間モードが適用されない(クライアントOSにのみ影響)
特定条件下でWindows 10の“夜間モード”設定が適用されなくなる。
- 外付けモニターやドック、プロジェクターと接続・切断した場合
- 画面を回転させる
- ディスプレイドライバーを更新したり、ディスプレイモードを変更した場合
回避策
- デバイスを再起動する
- “夜間モード”をONまたはOFFにする
状況
- 修正中
「Intel Display Audio」がバッテリーを過剰に消費する(クライアントOSにのみ影響)
「Intel Display Audio(intcdaud.sys)」デバイスドライバー(v10.25.0.3からv10.25.0.8まで)にはバッテリーを過剰に消費する既知の問題があり、アップグレード中に“次の作業が必要です”という注意が表示される。
回避策
- 注意が表示されたら[戻る]ボタンをクリックしてアップグレードを中止する。[確認する]ボタンは押さない
状況
- “Windows Update”で新しいドライバーへ自動更新されるのを待つか、手動でドライバーを更新すれば「May 2019 Update」へアップグレードできる
「カメラ」アプリが起動できない(クライアントOSにのみ影響)
「Intel RealSense SR300」および「Intel RealSense S200」は「May 2019 Update」との間に互換性問題を抱えており、「カメラ」アプリを起動すると“0XA00F4243”エラーが発生することがある。
回避策(次回のシステム再起動まで有効)
- カメラを取り外し、再び差し込む
- デバイスマネージャでドライバーを無効にしてから再度有効にする
- RealSenseサービスを再起動する
状況
- 修正中。影響する環境に対する「May 2019 Update」配信はブロック中
Wi-Fi接続が断続的に失われる(クライアントOSにのみ影響)
古いQualcommドライバーが原因で、Wi-Fi接続が失われることがある。古いPCではドライバーのアップデートが必要。
回避策
- デバイス製造元(OEM)から最新のWi-Fiドライバーをダウンロードしてインストールする
状況
- 影響する環境に対する「May 2019 Update」配信はブロック中。ドライバーを更新すれば「May 2019 Update」へアップグレードできる
AMD RAIDドライバーの非互換性問題(クライアントOSにのみ影響)
AMD RAIDドライバーのv9.2.0.105より前のバージョンには「May 2019 Update」との間に非互換性問題があり、安定性が損なわれる。“AMD Ryzen”、“AMD Ryzen Threadripper”でSATAまたはNVMeのRAIDモードを利用している場合は注意が必要だ。
回避策
- 最新のAMD RAIDドライバーを入手する
状況
- ドライバーを更新すれば「May 2019 Update」へアップグレードできる
D3Dアプリケーションおよびゲームが回転ディスプレイで全画面モードに入らない(クライアントOS、サーバーOSに影響)
一部のDirect3D(D3D)アプリケーションやゲーム(「3DMark」など)では、横長モニターを縦にして利用している場合など、向きが初期状態から変更されているディスプレイで全画面モードにならない場合がある
状況
- 5月下旬の修正を予定
古いバージョンの「BattlEye」アンチチートソフトとの非互換性問題(クライアントOSにのみ影響)
アンチチートツール「BattlEye」の古いバージョンが組み込まれたゲームは、「May 2019 Update」で動作しない可能性がある。「May 2019 Update」へアップグレードする前に、回避策のうち1つ以上を実施することが推奨されている。
回避策
- ゲームに組み込まれている「BattlEye」が最新であることを確認する
- システムを再起動して、ゲームをもう一度実行する
- “https://www.battleye.com/downloads/UninstallBE.exe”を利用して「BattlEye」をアンインストールしてから、ゲームを再度実行する
- ゲームを再インストールする
その他のトラブルシューティングオプションについては、FAQを参照のこと。
状況
- 「BattlEye」やゲームの開発元と協力しながら、「BattlEye」のアップデートに取り組んでいる