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クラウドから回復するオプションを追加した「Windows 10 20H1」Build 18970がFastリングに
2-in-1 PC向けのユーザーインターフェイス改善も
2019年8月30日 09:10
米Microsoftは8月29日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」Build 18970(20H1)を“Windows Insider Program”の“Fast”リングに参加するユーザーに対して公開した。Build 18970では2-in-1コンバーチブルPC向けのUI改善が行われたほか、クラウドからWindowsをダウンロードして回復するオプションが導入されている。
ノートブックとしてもタブレットとしても使える1台2役の2-in-1 PCは便利だが、タッチパッドやマウスで操作するノートブックと、タッチパネルで操作するタブレットとでは、求められるユーザーインターフェイスも異なってくる。そこで、本ビルドではキーボードを本体から分離したり、本体の背面へ折りたたんでタブレットとして使う場合だけ、以下のような動作を行うようになった。
- タスクバーのアイコンの間隔が広がる
- タスクバーの検索ボックスをアイコン化
- エクスプローラーがタッチ最適化レイアウトへ切り替わる
- テキストフィールドをタップすると、タッチキーボードが自動的に起動
また、この一環として「設定」アプリのタブレット関連セクションにいくつかの小さな変更が加えられているという。
なお、似たような機能として“タブレット モード”が存在するが、こちらの動作は従来から変更はない。当面は廃止の予定もないようだ。今回追加された最適化モードは、アプリが全画面表示で開くようになったり、タスクバーとデスクトップアイコンが小さくなる“タブレット モード”よりも大がかりではなく、気軽に利用できるのがメリットのようだ。
To be clear re: Build 18970 and the updated tablet experience... Tablet Mode hasn't changed and is still there and does exactly what it did before. The change in 18970 is regarding switching into the tablet posture.
— Brandon LeBlanc (@brandonleblanc)August 29, 2019
もう一つの新機能は、Windows 10をリセット回復(リセット)する際に利用できる[クラウドからダウンロード]オプションだ。「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[回復]セクションで“この PC を初期状態に戻す”機能を実行すると、従来の[ローカル再インストール]に加え[クラウドからダウンロード]からリセット方法を選べるようになった。
従来の[ローカル再インストール]オプションは、すでにローカルにある既存のWindowsファイルを元に再インストールするOSを構成する。これはOSのコピーをバックアップパーティションに保存しておかなくても済むように「Windows 10 バージョン 1507」で導入された機能で、回復パーティションを必要としないため、ディスク領域を節約できるのが利点だ。
新しい[クラウドからダウンロード]オプションは、現在利用しているOSと同じビルド、バージョン、エディションをクラウドからダウンロードして、再インストールを実施する。クリーンなOSイメージを再取得して利用する安心感もさることながら、ネットワーク回線が十分に高速であれば、こちらの方が回復処理にかかる時間を短縮できるようだ。
なお、PCの回復を行うとインストールしたアプリがすべて削除されるので注意。設定によってはユーザーデータもすべて削除される。また、特定のOSオプション機能がインストールされている場合、クラウド経由の回復は機能しない。この問題は将来的には解決されるとのことだが、それまでは該当するOSのオプション機能を削除してから[クラウドからダウンロード]オプションを利用した方がよいだろう。