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オープンソースの3DCG制作ツール「Blender 2.82」が公開
炎・煙・流体・布を自在に操る物理シミュレーションの強化とUDIM/USDのサポートが目玉
2020年2月17日 13:30
蘭Stichting Blender Foundationは2月14日(現地時間)、オープンソースの3DCG制作ツール「Blender」の最新版v2.82を公開した。「Blender 2.82」では1,000以上もの修正に加え、“UDIM”と“USD”のサポート、物理シミュレーションの強化、人工知能(AI)ノイズ低減処理の拡充、グリースペンシルの強化などが行われている。
“UDIM”はタイルベースのUVマッピングシステムで、複雑なメッシュやスケールが大きいオブジェクトを扱うのに適している。「Blender 2.82」ではこれがパイプラインへ完全に統合され、ネイティブで扱えるようになった。
一方、“USD”はピクサー(Pixar)が開発したオープンソースフォーマット。複雑な階層化やオーバーライドおよび他のファイルへの参照を含めることができるとのことで、「Blender 2.82」ではUSD形式でのエクスポートをサポートしている。
さらに、流体シミュレーションフレームワーク「Mantaflow」も強化。炎と煙のシミュレーションや、リアルな液体を表現できるFLIPソルバーが追加された。柔らかい布や膨らんだ風船・クッションを再現する処理も改善されている。
そのほかにも、「Cycle」「Eevee」レンダリングエンジンが強化。Windows版でのレンダリング処理も高速化された。また、NVIDIAの貢献により「Cycle」で“NVIDIA RTX”グラフィックスカードのレイトレーシングエンジン「OptiX」によるAIアクセラレーションデノイザーがサポートされたほか、アドオンの拡充などが行われているという。
「Blender」はWindows/Mac/Linuxに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。“Microsoft Store”や“Steam”から入手することも可能だ(最新版が提供されるまで若干のタイムラグあり)。
ソフトウェア情報
- 「Blender」Windows版
- 【著作権者】
- Stichting Blender Foundation
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 2.82(20/02/14)