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地球外知的生命体探査プロジェクト“SETI@home”が3月31日で一旦休止

再始動まで「BOINC」で他のプロジェクトに貢献を

地球外知的生命体探査プロジェクト“SETI@home”が3月31日で一旦休止

 地球外知的生命体探査プロジェクト“SETI@home”は3月2日(米国時間)、プロジェクトを3月31日で休止すると発表した。

 “SETI(Search for Extraterrestrial Intelligence)@home”は、プエルトリコのアレシボ天文台が観測した膨大なデータをインターネットで接続された世界中のPCで分析し、地球外知的生命体が存在する証拠を科学的に探し出すプロジェクト。アメリカのカリフォルニア大学(UC)バークレー校を拠点に1999年から活動しており、自宅PCの余ったリソースで手軽に貢献できるとして人気を集めていた。

 かつては専用のクライアントソフトを用いていたが、現在では「BOINC」と呼ばれる分散コンピューティングの汎用クライアントを利用する仕組みとなっている。「BOINC」を利用すれば、“SETI@home”のほかにもさまざまな科学プロジェクトに貢献できる。

 同プロジェクトによると、現時点で必要なデータはあらかた解析済みとなり、リターンが得られなくなったのが理由とのこと。また、すでに得られた解析結果をまとめてバックエンドでの分析を完了し、科学雑誌に掲載するための論文を書くのに集中する必要があるという。

 “SETI@home”プロジェクトは終了するわけでなく、Webサイトや掲示板は引き続き運用される。他のUCバークレー天文学者が新たな分散コンピューティングの用途を見つければ、再び始動するだろう。それまでは「BOINC」で他のプロジェクトに参画してほしいとしている。