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“master”は不適切? デフォルトブランチ名の変更に対応した「Git for Windows」v2.28.0
リポジトリを初期化する際、より無難な“main”などに置き換え可能
2020年7月29日 10:00
「Git for Windows」の最新版v2.28.0が、7月28日に公開された。「Git for Windows」は、分散型バージョン管理システム「Git」のクライアントをWindows向けに移植したもの。Windows環境で「Git」を扱うためのCUI/GUIツールがひとまとめになっている。
本バージョンではコンポーネントのアップデートと不具合の修正が行われた。
- 「Git」v2.28.0へ更新
- 「subversion」v1.14.0へ更新
- 「Git Credential Manager for Windows(GCM for Windows)」の後継であるクロスプラットフォーム対応の「Git Credential Manager Core」を同梱。現在のところオプトインとして提供されるが、将来的には「GCM for Windows」を廃止して置き換える方針
- 「cURL」v7.71.1へ更新
- 「Perl」v5.32.0へ更新
- 「Cygwin 3.1.6」(「Cygwin 3.1.5」の改善も含む)ベースの「MSYS2」カスタムランタイム
- 「GNU Privacy Guard」v2.2.21へ更新
「Git」v2.28.0の目玉は、デフォルトブランチの名前を“master”から変更できるようになったこと。“git init”でリポジトリを初期化する際、これまではデフォルトブランチの名前は“master”決め打ちになっていたが、本バージョンからは“init.defaultBranch”オプションの値を参照してデフォルトブランチの名前を設定するようになる。既存リポジトリには影響しない。
この変更は、“Black Lives Matter”(BLM)運動の影響でソフトウェア業界でも奴隷制を連想させたり、差別的とみなされうる用語の置き換えようという声が高まっていることを受けた措置。“master(主人、師匠、熟練者、原盤、制御する側)”が不適切な用語であるかどうかについては議論の余地があるが、より無難な“main”などに置き換える手段が用意されたのは歓迎すべきことだろう。
ソフトウェア情報
- 「Git for Windows」
- 【著作権者】
- msysgit/git
- 【対応OS】
- Windows Vista以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2.28.0(20/07/28)