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「Git for Windows 2.29.0」が公開 ~セットアップ時にデフォルトブランチ名を設定可能

「SHA-256」を実験的にサポートした「Git 2.29.0」を同梱

「Git for Windows」v2.29.0

 「Git for Windows」の最新版v2.29.0が、10月20日に公開された。「Git for Windows」は、分散型バージョン管理システム「Git」のクライアントをWindows向けに移植したもの。Windows環境で「Git」を扱うためのCUI/GUIツールがひとまとめになっている。

 本バージョンではコンポーネントのアップデートと不具合の修正が行われた。

  • 「Git」v2.29.0
  • 「Cygwin 3.1.7」ベースの「MSYS2」カスタムランタイム
  • 「Git LFS」v2.12.0
  • 「GNU Privacy Guard」v2.2.23
  • 「OpenSSL」v1.1.1h
  • 「libcbor」v0.8.0
  • 「libfido2」v1.5.0
  • 「OpenSSH」v8.4p1
  • 「Git Credential Manager Core」v2.0.252.766
  • 「cURL」v7.73.0

 「Git」v2.29.0の目玉は、「SHA-256」の実験的サポートだ。「Git」はオブジェクトを管理するため、かつて暗号化にも広く用いられていた「SHA-1」アルゴリズムでユニークなハッシュ(要約データ。他との区別や比較に用いる)を生成している。しかし「SHA-1」はすでに古く、今となっては十分な強度であるとは言えないため、セキュリティのためには利用できない。ハッシュの生成用途としては十分で、実際の運用で衝突する可能性はほぼなく、あってもその対策は施されているが、今後新しい攻撃が発見されないとも限らない。そのため、より強度の高い「SHA-256」への移行が計画されている。

 「Git for Windows」ではこれに加え、“git init”コマンドで利用されるデフォルトのブランチ名をインストーラーで設定できるようになった。「Git」の開発チームはデフォルトのブランチ名を従来の“master”から“main”に変更する意向で、「Git for Windows」もそれに追随する構えだが、“master”を使い続けたい場合はセットアップの際に設定を上書きし、自分好みのデフォルトブランチ名を設定することが可能。

“git init”コマンドで利用されるデフォルトのブランチ名をインストーラーで設定できるように

 そのほかにも、古い「Git Credential Manager」が後継の「Git Credential Manager Core」に自動で置き換えられる。

ソフトウェア情報

「Git for Windows」
【著作権者】
msysgit/git
【対応OS】
Windows Vista以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.29.0(20/10/20)